もはや低価格帯では国産リールを凌ぐとも言われるほど進化している中華リール。
僕も最近はいろんな種類の中華リールを使っているのですが、なんと近頃、1万円程度で買える中華製のDCリールまで登場してしまったようなのです…
これが本当ならヤバすぎるということで、早速レビューしてみました。
この値段でDC搭載!?噂の激安リール、DMKのCHEETAHをインプレ!
DMK CHEETAHの概要

商品名:DMK CHEETAH
ギア比:7.5:1、8.5.1
スプール重量:9.58g
スプールサイズ:28mm径、幅22.6mm
最大ドラグ:4kg
ベアリング:11+1
適合ルアーウェイト:1-15g
巻取り量:66cm、74cm
重量:142g
ランキャパシティ:PE0.8号→180m、1号→140m、1.2号→120m
今回紹介するのはDMKのCHEETAHです。
こちらはいわゆるベイトフィネスリールで、軽量ルアーをメインに扱います。
DC(デジタルコントロール)搭載のリールは、電子制御によってスプールの回転数を調整してバックラッシュしにくくするもので、特に軽量ルアーは制御が難しいので国産のDC搭載のベイトフィネスリールといえばぱっと思いつくのはシマノのアルデバランDCくらいと数が少ないのですが、なんと中国から、しかも格安で登場してしまいました。
日本からの購入だとAmazonや楽天では売っていないのでアリエクスプレスからになると思うのですが、値段は1万円~1.2万円あたりで、セール時には8,000円代まで下がることも。

スプール径は28mmと一般的なBFSリールと同じサイズで、ルアーの適合ウェイトはスペック上は1-15gとなっています。
それではこちらのリールについて、詳しくチェックしていきます。
外観をチェック
まずは外観をチェックしていきます。

家に到着するとこんな感じで、一般的な箱に入って届きます。
梱包については簡易的なものなので、写真のように多少凹んだり角が削れたりしていますが、中身は無事に届きました。
取り出してみるとこんな感じです。

1万円程度のベイトリールということで、国産基準だとおもちゃのようなボディのリールが届くことも想定していたのですが、全然安っぽさを感じさせず普通に高級感のある質感をしています。
中華リールにはいろんな種類がありまして、例えばHistarのリールだと軽さを追求しているからか、少し剛性が不安になるようなボディのものもあるのですが

こちらのチーターはBFSリールとしては少し重さがある分、剛性がありそうなボディとなっています。
続いて全体をチェックしていきます。
ハンドル側

ブレーキ側

裏側

レベルワインダー側

全体を見渡してみても高級感があり、これが一万円でいいのかと疑うレベルです笑
ハンドルの巻き心地についてもとても軽いですし

ハンドルを高速回転させると

DCユニットが光り、少しですが「フォン」とDC音が聞こえました!
手で回しただけだったのですが、しっかりとDCが動作してテンションが上がります!
実際はキャストしてみないとわからないのですが、この時点で期待はかなり高まりますね。
その他もチェックしてみると、ハンドルノブは気持ちよく回りますし

クラッチも良好。
スタードラグにはクリック音もありますし

ドラグサウンドが標準装備。

過去にシマノの17スコーピオンDCを購入した時は、ドラグ音がなく自分でメインギアに穴をあけて加工していたので、たった1万円のリールが無加工でドラグ音までなるのかと感動しました。(改造自体は楽しかったですが)
ベアリングの使用数も11+1と国産の上位機種とも見劣りしない数で、とても1万円程度のリールとは思えないクオリティです。
個人的に気になるDCユニットについてですが

取り外した様子がこちら。

たとえば国産のアンタレスDCMDであれば、PEモードやナイロンモードといったモードの切り替えがあるのですが、チーターにはモードの切り替えはないようですね。
スペックの誤差をチェック
続いてスプールや重さなどを実際に測定し、スペックとの差がないか確認していきます。
まず本体重量ですが、スペックが142gなのに対し

実測値は144.8gと約3g程度の差があるものの、概ね表記通りです。
続いてスプールを取り出してみると

流石はBFSリールというだけあって、スプールが軽くて小さいです!
スペック的には28mm径とのことですが、実際に測ってみると

27.91mmと、ほぼスペック通りで、一般的な中華製BFSリールと同じサイズです。
幅についても測定してみると

スペックが22.6mmなのに対し、幅は22.49mmとこちらも概ね表記通りでした。
また僕が気になっているのはスプールの重量について。
一般的なベイトフィネス機が4g程度なのに対し、チーターのスプールは9.5gと重めなので1gのルアーがキャストできるのか不安なのですが、とりあえず実際に重さを測定してみると

こちらは表記よりも若干軽い9.36gでした。
ただこの重さでも1g程度のルアーを扱うには重すぎる気がするので、DCでどれだけコントロールできるかが楽しみですね。
続いて糸巻量について。
スペック上は
- 0.8号:180m
- 1.0号:150m
- 1.2号:120m
となっているのですが、僕が過去に触ってきた28mm径のベイトフィネスリールだと100mも巻けない気がするので、これはぜひとも確認しておきたいところ。
ということで、太さ0.8号(0.15mm)のラインを巻いたスプールから、糸を巻き取ってみました。

すると

結果はなんと56m。

トラブル防止のために控えめに巻いているので、あと10-20mほどは巻けそうなものの、それでも0.8号のラインが80m程度なので、スペックの0.8号が180mというのは表記と差がありそうですね。
実際にキャストしてみた

それでは実際にDMKのチーターをキャストしてみました。
14gのルアーをキャスト
まずは扱いやすい14gのバイブレーションからキャストしていきます。

ブレーキは
- メカニカル:ゼロポジションより少し強め
- DCブレーキ:MAX
で設定してキャストしてみました。
すると、「キュイーン」とDCらしい音を立ててルアーが飛んでいきます!

DCブレーキがしっかり機能しているので、着水までノーサミングでもバックラッシュせずに投げられました!
DC音だけでも楽しめてしまうのですが、これは普通に使えるヤツではないか
1万円のDCということで期待はしていなかったのですが、これはいい意味で期待を裏切られました。
ただこのままでは飛距離が物足りないので、
- メカニカル:ゼロポジションより少し強め
- DCブレーキ:1/5程度
に設定してキャストしてみると、先ほどとは違ってDC音とともにルアーがスーッと飛んでいきました。
飛距離を測定してみると

結果は31mと、28mm径のスプールとしては十分なほどよく飛んでいます。
重いルアーを遠投するリールではないのですが、おかっぱりのバス釣りやチニングであればこれだけ飛ばせれば飛距離的には問題なく使えますね。
7gのルアーをキャスト
続いて7gのルアーをキャストしていきます。

先ほどよりも空気抵抗の大きいルアーですが、果たしてうまく投げられるのでしょうか?
ブレーキ設定は先ほどと変わらず
- メカニカル:ゼロポジションより少し強め
- DCブレーキ:1/5程度
でキャストしていきます。
すると

いや、これめちゃくちゃ使えるぞ
7g程度のプラグも快適に飛んでいきます。
飛距離を測定してみると

飛距離は28mと、こちらも立派な数字。
適材適所ではあるものの、僕が今まで使ってきたBFSリールの中では7gのルアーとしてはトップクラスの飛距離です!
キャスト中もラインを観察してみると、糸が浮きそうになったタイミングでコントロールしてくれているのがよくわかります。
3gのワームをキャスト
続いて3gのワームをキャストしていきます。

このあたりのルアーを快適にキャストできるかどうかが、BFSリールとしての分かれ道といったところ。
ではこちらをキャストしてみると

うーん、ワームは飛んでいくものの、最後の伸びでやや失速してしまう印象。
飛距離としてはギリ及第点ではあるのですが、やはりスプール重量が4g程度のリールが20-22mほど飛ばせるところを、19-20m程度までしか飛ばせないといった感じです。

ブレーキを弱めてみても結果は変わらずということで、3g以下のルアーは快適に扱えるウェイトから若干外れるといった印象ですね。
1.3gのルアーをキャスト
最後に1.3gのルアーをキャストしていきます。
このクラスだと管釣りで使うサイズ。

さすがに厳しいかと思いながら、キャストしてみると

キャスト自体はできるけど、やはり実戦レベルの飛距離は出せていません。
ただ9.5gのスプールでありながらDCは動作しているようで、1.3gのルアーでもDCが機能していることには驚きました。
ちなみに1.3gのルアーの飛距離は10m

このウエイトのルアーをメインで使う場合は、DCにこだわらずに非DCの軽量スプールリールを素直に使った方が良さそうですね。
結果をまとめると
- チーターで快適にキャストできるのは4g~10g程度
- それ以上のウエイトだとスプール径の大きいルアーの方がよく飛ぶ
- 3g以下だとスプール重量の関係で失速する
ということが分かりました。
気になるところ、注意点は?
最後にDMKのチーターの気になるところや注意点について紹介します。
正直、DCを含む機能面については文句がないレベルなので、注意点の紹介がメインとなります。
最大ドラグ力が低め
まず一つ目は最大ドラグ力が低めであること。
これはベイトフィネスリールの宿命なのですが、やはり不意な大物がかかるとパワー負けします。
僕もルアーのキャスト中にハクレンかコイらしき魚がかかったのですが、ドラグを最大まで締めてもラインを出され続け、最後にはラインブレイクしてしまいました。
バス釣りやチニングあたりであれば問題はないのですが、70-80cmクラスの魚がかかると完全にパワー負けするので、不意な大物がかかるようなポイントでは注意が必要です。
その点、DCではないのですが同じようなウェイトを扱えるKASTKINGのVARIANTSAGLE PROは最大ドラグ力が6kgなので、よりパワーが必要な釣りではこちらの方がオススメです。
高速巻きが苦手
二つ目は高速巻きが苦手であること。
糸巻量が74cmしかないので、バイブレーションなどのルアーを早巻きするのには限界があります。
チニングでもバイブレーションを早巻きしたいシチュエーションはありますが、もしワームではなくバイブレーションが主体の場合は、番手の大きい別のルアーの方が扱いやすそうです。
説明書が全て中国語&サポートが国産に比べてて薄そう
3つ目は説明書などがオール中国語であるということ。
DMKは中国のメーカーなので、やはり説明書なども全て中国語。
Google翻訳などで読むことも可能ではあるものの、もし故障があった際にサポートが日本語で受けられない可能性があったり、部品の取り寄せが難しかったりといったことが予想できるので、このあたりは国産メーカーとは違ったデメリットがあります。
ただし値段も1万円程度と安価ですし、今までの経験上、中華リールがすぐに壊れることもないので、壊れたら買い替えるくらいのつもりで良いと思います。
今回は1万円程度で買える中華製激安DCリール「DMK チーター」について紹介しました!
8月18日~27日16時までの期間でアリエクスプレスがセールを実施しているので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか?
商品ページのリンクを載せておくので、気になる方はチェックしてみてください。