【高級珍味】シーバスの卵巣を使ったカラスミの作り方を紹介

料理・下処理

言わずと知れた高級珍味であるカラスミ

もともとはサワラの卵巣、現在ではボラの卵巣を使って作られることが一般的ですが、今回は釣ったシーバスの卵巣を使ってカラスミを作ってみたのでその作り方について紹介します。

【高級珍味】シーバスの卵巣を使ったカラスミの作り方を紹介

釣ったシーバスから立派な卵巣を発見

まずシーバスでカラスミを作ろうと思った経緯についてですが、12月末にとある河口でシーバスを釣った時の事。

12月末に河口で釣ったシーバスの画像

この時は70cm弱ですが体高があり、コンディションもよさそうだったことから持ち帰って食べることにしました。

家に帰って台所で下処理をするために内臓を取り出してみると

なんと非常に立派な卵巣が出てきたではありませんか。

このまま捨てるのももったいないと思い、シーバスの卵巣を使ってカラスミを作ってみることにしました。

シーバスの卵巣の作り方

準備するもの

  • シーバスの卵巣:1対
  • 容器:卵巣を漬けるために使用
  • 塩:卵巣が埋まる量
  • 日本酒:350ml
  • 干し網
  • アルミホイル

塩漬けにする【1週間】

まずはシーバスの卵巣を破らないように丁寧に取り出します。

カラスミ用に取り出したシーバスの卵巣の画像

その後、見栄えを気にするなら針で血管の部分を刺して血抜きした方が良いようなのですが、今回はそのままにしました。

仕上がりの味にも影響はなかったので、見栄えを気にしない方はそのままでも良いと思います。

こちらを軽く水洗いして水気をふき取った後に、全体に塩をまぶして塩漬けにし冷蔵庫で保管します。

上の写真は塩漬けにして4日後の様子。

パンパンだった卵巣から水分が抜けて縮んでいるのがよくわかります。

ここで塩がびちゃびちゃになったら全て取り換えて、再度塩漬けに。

合計1週間ほど塩漬けにしてしっかり水分を抜きます。

1週間後の卵巣の様子がこちら。

1週間塩漬けにしたシーバスの卵巣の画像

始めの頃は触るとフニフニとしていたのですが、この頃になると水分が抜けて硬く締まったような感触に変わっています。

酒に漬ける【1週間】

ここからは塩漬けにしたシーバスの卵巣を酒に漬け込みます。

まずは1週間つけた卵巣をサッと水洗いして塩を落とし、日本酒で付漬け込みましょう。

シーバスのカラスミ用に用意した日本酒

今回はスーパーで購入した350mlの日本酒を使用しました。

まずは酒に3時間入れて塩抜きをします。

酒の水分を吸って少しだけ膨らんだような気がします。

続いてこちらを卵巣が入る容器に移して、日本酒を注ぎます。

塩漬けにしたシーバスの卵巣に日本酒を注ぐ画像

このまま蓋をして、冷蔵庫で1週間ほど漬け込みます。

1週間後、日本酒に漬け込んだ卵巣を取り出してみると

日本酒の色は透明から黄色っぽい色に変わり、卵巣は水分を吸ってしわが少し消えているような気がしました。

ちなみに卵巣を漬けた日本酒が飲めるのか気になる方もいると思いますが、試しに飲んでみたところ甘さとしょっぱさと魚介のエキスが混ざり決して美味しいとは言えない味になっていたので、素直に捨てた方が良いかと思います。

天日干しにする【3週間】

ここまで塩漬け1週間、日本酒漬け1週間とかなりの時間をかけたシーバスの卵巣ですが、いよいよ天日干しの作業に入ります。

チャックで密閉できる野菜干しネットがダイソーで売っているので便利です。

卵巣を干す時期については夏場の方がよく乾きそうな気がするのですが、気温が高く水分を飛ばすまでに腐ってしまうので、冬の乾燥した空気の中で時間をかけてじっくりと干すのが良いみたいですね。

まずは初日の様子ですが

少し表面が乾いたものの、まだまだ中身は水分が残っていて触ると柔らかいです。

日が落ちたら一度取り込み、冷蔵庫で保管。

これを天気の良い日は毎日、3週間ほど繰り返します。

2日の取りこみ時

3日目

7日目

少しづつ色が濃くなって、水分が抜けしわが入ってきました。

10日目

ようやく折り返し地点です。

この頃になると水分もかなり抜けてカチコチとした感触に。

ここからは外見の変化はあまりないのですが、まだまだ根気よく干し続けます。

そして21日目。

水分がしっかりと抜け、初期の頃と比べると色が濃くなりサイズも随分小さくなっています。

塩漬けにしてからここまでで5週間。

もう食べたくて我慢できない方もいらっしゃると思いますが、最後の工程が残っているのです。

冷蔵庫で寝かせる【2週間】

ここまで仕込み開始から35日。

1か月以上を要しているのですが、このままの状態で食べるとパサパサとした食感となり勿体ないのです。

最後に冷蔵庫で2週間ほど寝かせましょう。

まずはアルミホイルでぐるぐる巻きにして

空気を遮断するためにジップロックに入れます。

最後にタッパーなどの入れ物に入れて、冷蔵庫で2週間ほど寝かせましょう。

干したシーバスのカラスミを冷蔵庫で2週間寝かせる画像

そして2週間経過した様子がこちら。

寝かせる前よりも全体的に色味が黒っぽくなっていました。

ですが表面にはカビなどもなく保管状態としては良さそうな様子。

これは期待が持てますね…!

いざ実食!気になるシーバスのカラスミの味は?

めちゃくちゃきれいにできている…!

出来上がったシーバスのカラスミをいざ実食します!

中身が気になるので、早速スライスしてみると

おおおお!

中身はキレイなオレンジ色をしていて、いかにも美味しそうな様子!

寝かせたおかげかしっとりとしてまとまっていますし、これは絶対旨いに決まっている!

そう思い、ワクワクしながら出来上がったカラスミを一口食べてみると…

あれ、予想とちょっと違う…?

出来上がったカラスミ。

あまりにも満足な見た目をしているので、一切れつまんで食べてみると

「あれ、思ってたのと違う…」

出来上がったカラスミは確かに干した魚介特有の風味はするものの、なんだか少しエグみがあって期待外れな感じ。

せっかく仕込みから50日程度という長い時間をかけたのに、失敗かと落ち込んでいたのですが、ここからまさかの逆転劇が始まります。

大根スライスで絶品に!

失敗作かと肩を落としたシーバスのカラスミ。

他の料理にしようかとも思いましたが、ダメ元で用意しておいた大根スライスに乗せてみます。

すると…

あれ、めちゃくちゃ美味しいぞ

先ほどの魚介のえぐみが大根と一緒に食べることで緩和され、干した魚介特有の旨味が前面に押し出されるではありませんか。

カラスミ単体で食べた時とは大違いで、これならいくらでもつまんでしまいます。

さらにカラスミを食べた後の口に日本酒を流し込むと、カラスミのエグみが日本酒と相性抜群で「カラスミ→日本酒→カラスミ→日本酒」のループにハマってしまうではありませんか!

この組み合わせは危険すぎる…!

仕込みから完成までに約50日程度かけて完成したシーバスのカラスミ。

筆者はカラスミを滅多に食べないのでボラのカラスミとの違いなどは詳しく語れませんが、大根スライスと合わせた時の味はまさに絶品でした。

作成までに時間と根気が必要な料理ではありますが、非常に美味しく仕上がったので、気になる方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?

他にもシーバスの浮袋を使った美味しい珍味の作り方を下の記事で紹介しているので、気になる方はこちらも合わせてご覧ください!

この記事を書いた人
なるフィッシュ

SNS総フォロワー数4万人の釣り情報メディア「釣りの知恵袋」なるフィッシュの管理人で、Yahoo!ニュースエキスパートとしてYahoo!ニュース等で釣りに関する情報を発信するWEBライター。
2020年から釣りに関するアイテムや情報の情報を発信し、今までに得た釣りのノウハウや、1,000種類以上の釣具を試してきた経験から釣りに役立つ情報を皆様にお届けします。

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