安かろう悪かろうから一転して、どんどん進化を続ける中国製釣具。
特にミドルクラスの釣具の進化が本当に凄くて、近年では日本の2-3万円クラスのリールと見劣りしないほど高品質なリールが1万円程度で手に入ってしまうこともザラにあります。
今回も7,000円程度と手ごろな値段でありながら、驚くほど使いやすいスピニングリールを見つけたので紹介します。
【中華リール】これで7,000円!?TSURINOYAのスピニングリールを徹底インプレ
TSURINOYA ARTEMIS800の概要

値段:6,980円(Amazon)
ギア比:5:2:1
ベアリング数:9+1
重量:160g
ラインキャパ:PE0.6号-100m、0.8号ー80m
番手:800、1000s、1500s、2500s
今回紹介するのはTSURINOYAのARTEMIS800です。
TSURINOYAといえば中国の釣具メーカーで、知る人ぞ知る激安ベイトリール「ダークウルフウルトラ」を輩出しているメーカー。
実売価格1万円程度とベイトリールの中では手ごろな値段でありながら、品質面ではシマノのアルデバランと比較され得るようなクオリティで筆者もベイトフィネス機として2年以上愛用しています。
中国製釣具といえばピンキリで聞いたこともないような無名メーカーのものを使用するのは不安ですが、あのダークウルフウルトラのメーカーならスピニングリールも信頼できるのではないかと思い、購入したという訳です。
番手は800番~2500番まであるのですが、今回はライトゲームで使用するスピニングリールが欲しかったので800番を購入してみました。

中国製釣具といえばアリエクスプレスなどの中国のサービスを使用しなければならないことが多いのですが、今回はAmazonでも購入できるのが嬉しいところ。
値段は7,000円程度と日本の釣具と比べても激安というほどではないのですが、果たしてこちらのリールの実力はどれほどのものなのでしょうか?
外観をチェック
まずは外観をチェックしていきます。
購入するとこのような箱に入って届きます。

パッケージ表記も中国製リールらしく、中国語で書かれています。

箱を開封するとこんな感じで、本体、リール袋、説明書、スペアのワッシャーの4点セット。

リールを取り出して手に取ってみると

「普通にカッコイイんですけど…!」
黒を基調にしたシックなデザインで、ボディもマットがかっていて非常に高級感があります!!
安価なリールといえばテカテカしておもちゃみたいなイメージだったので、これは嬉しい誤算です。

しかも手に持ってみると非常に軽い…
スペック的には160gで、実際に測ってみても157gと概ね表記通り。

国産の1万円クラスのリールであるダイワのレガリスと比べてもボディの素材が明らかに良いので、とても7,000円のリールとは思えないほど。

ダークウルフウルトラを触った時も感じたのですが、TSURINOYAのリールは値段の割にベアリングやカーボンハンドルといった良い素材を惜しみなく使ってくれています。
例えば国産の1万円クラスであるシマノの21ナスキーやレガリスの1000番であればベアリングが5個しか使用されていないので、ハンドルノブに使用されているのもプラスチックのカラー。

僕も21ナスキーでは使いやすくするために、ベアリングを購入して自分で追加していました。
ですがTSURINOYAのARTEMISはベアリングが9個使用されてるので、ラインローラーのベアリングは標準装備。

さらにハンドルノブも

ベアリングを使用。
ただし反対側についてはカラーが使われていたので、もし使用感にこだわる方はカスタムしてもよいかもしれませんね。

スプールについては購入した800番はかなりシャローになっているようで、既に糸を巻いてしまったので見られないのですがラインキャパは少なめ。

PE0.8号を80mほど巻いてこの様子なので、表記通りで間違いなさそうです。
ギミックを確認
続いて実際に触ってみたいと思います!
まず気になる巻き心地についてなのですが、初めて触った時の印象としては「思ったよりも重めだな」といった印象。

値段通りといえばそうなのですが、21ナスキーや23レガリスの巻き心地が軽かったので、どうしても国産同クラスのリールを比べると物足りなく感じてしまうもの。
ちなみにこの感覚は後ほど、覆されることとなります笑
続いてベールを触ってみると、こちらは「カチッ」と気持ちの良い音がして一般的なリールと同程度に使いやすいです。

ハンドルノブはベアリングを使用していることもあり、気持ちよくクルクル~

ドラグに関しても手で引っ張ってみると、ジジジと耳障りの良い音を立てて鳴ってくれます。

見た目がカッコいいだけでなく普通に使えそうなので、これは使う前からワクワクしてしまいますね!
いざ実釣!ARTEMISの使い心地が凄すぎる…!
では実際にTSURINOYAのARTEMISを釣りで使ってみました!
まず使用したのはバイブレーションを使ったチニング。

14gのバイブレーションをキャストしてみたのですが、やはり重さのあるルアーということで気持ちよく飛んでいきます。
初めは巻き心地があまり軽くないと思っていたのですが、段々とヌメヌメとした気持ちの良い巻き心地に!

恐らく標準で塗布されているグリスの粘度が高めで、使っているうちに馴染んできたのか、普通に使いやすいです。
バイブレーションを高速巻きしているうちに、ガツン!としたアタリが!

800番のリールということで剛性が不安だったのですが、クロダイをかけてもロータが歪むこともなく普通に巻いてこられます。
安価なくせに剛性も凄い…
そしてクロダイが突っ走ると「ジジジィー」と音を立ててドラグ音が!

音もしっかり聞こえますし、問題なく使えます。
ただ言葉では表現しにくいのですが、スムーズに糸は出るもののシマノほどの滑らかさがなく、他がハイレベルなだけに少し物足りなさを感じる部分ではありますね。
その後は無事にランディング。

40cmほどのクロダイでした。
800番と一番小さいリールを使ってのことなので、2500番ならシーバスやクロダイレベルであれば問題なくキャッチできます。
ちなみにこれはおまけですが

ランカーシーバスがスレがかりしても寄せてくることができたので、800番でも剛性は十分だと思います。
続いて今度はライトゲームにチャレンジ。
筆者のフィールドではアジングやメバリングのポイントがないため、今回はフィネスのバス釣りに。
3.5gのイモグラブをキャストしてみます。

キャストすると3.5gのイモグラブがスーッと気持ちよく飛んでいきます。
1gのジグヘッドにワームをセットしてキャストしてみても、糸の出がスムーズで使いやすいですね。
さて、話をバス釣りに戻しまして、イモグラブをドリフトしているとコツンとしたアタリが。
バスがワームを咥えて走ったのを確認して、しっかりフッキング!

フッキングが決まるとバスが沖に突っ走り、ドラグがジリジリと鳴っています。
クロダイより軽い魚でも問題なくドラグは機能していますね。

バスが暴れても安心してファイトできます。
バスを慎重に寄せて、上がってきたのは

35cmほどのスモールでした!
その後も20cmほどのスモールを追加でキャッチ

アジやメバルでの使用ではないものの、同サイズの魚ということでライトゲームでも十分使えそうですね!
気になるところは?
実売価格7,000円とは思えないほどのクオリティを誇るTSURINOYAのARTEMIS800。
既に筆者の一軍ライトゲーム用のリールとなるほどの良いリールなのですが、気になるところについても紹介します。
その① 初期の巻き心地が重い
一つ目は初期の巻き心地が重いことについて。
上の文章でも紹介したのですが、こちらのリールは使用しているグリスなどのせいか初めの巻き心地が重いです。
筆者も初めの1-2回の釣行は「やっぱり巻き心地が重めだな」と思いながら釣りをしており、特にライトゲームでは一定の速度でリトリーブできないこともあり失敗かと思うほどでした。
解決する方法は二つあり、一つ目はグリスが馴染むまで使い込むこと。
筆者も3回目の釣行あたりで巻き心地の軽さを実感できたので、初めの2回くらいは巻き心地の気になりにくいクロダイのメタルバイブなどの釣りをして馴染ませるのが良いと思います。
二つ目は自分でメンテナンスオイルを塗布し直すこと。
ハンドルノブ、ラインローラー、メインシャフトあたりのグリスやオイルを塗り直すことで、もっと早く巻き心地を改善することができると思います。
巻き心地が重いのは初めだけで、使い込んでみると筆者の知人も「これ、軽いな!」と驚くほどスムーズな巻き心地になります。
ラインストッパーが使いにくい
二つ目はラインストッパーが使いにくいことです。

形状がなぜか丸いので、ラインが引っかかりにくい形状となっています。
シマノのリールは丸みのある三角形で引っ掛けやすいので、些細なことなのですがシマノのリールの方がこの点では使いやすいですね。
もし使いにくいと感じる方は、思い切ってスプールに巻くタイプのラインストッパーを使うのも手だと思います。
保証を受けにくい
3つ目は保証を受けにくいことです。
これは海外製リールを使う上で覚悟しなければならないことなのですが、リールの故障や不具合があった時に手厚い保証が受けられるのが国産リールの強み。
ページを確認したところ保証に関する記載がないので、例えばAmazonで購入した場合はAmazonのカスタマーサポートに連絡することになるのかと思います。
もしメーカーのサポートに連絡がついたとしても、日本語が通じないため英語等で伝える必要があるかもしれませんし、上手く相手に不具合が伝わらないかもしれません。
また修理も海外に送る場合は時間と送料がかかってしまうケースが多いので、保証は受けられないものと思った方が良いかもしれません。
今回は中国のハイコスパスピニングリール、TSURINOYAのARTEMIS800について紹介しました!
保証が国産リールに比べて弱いものの、僕もダークウルフウルトラを2年ほど使って一度も故障がなく品質面も素晴らしいので、信頼できるメーカーだと思います。
値段の割にとても使いやすいリールなので、気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?