堤防や船釣りでも狙える人気のターゲットのサゴシ。
ルアーへの反応が良く、ゲーム性が高くて楽しいんですよね!
ですがサワラは脂の乗りが良く旨いと知られる一方で、「サゴシは不味い」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
サワラの幼魚にあたるサゴシは脂が少なめではあるものの、十分美味しく食べることができます。
そこで今回は、実際に釣ったサゴシで試して美味しかった食べ方を5つ紹介します。
- サゴシが不味いと言われる理由
- 刺身で食べても大丈夫か?
といった疑問にも触れながら解説していきます。
サゴシとは

サゴシは、サバ科サワラ属に分類される魚で、サワラの幼魚のことを指します。
成長に伴って名前が変わる「出世魚」の一種で、地域によって違いはあるものの、関西では一般的に40〜50cm前後までをサゴシ、それ以上になるとサワラと呼ばれることが多いです。
北海道から九州まで幅広い海域に生息し、イワシやアジなどの小魚を追って沿岸にも回遊してくるため、ショアジギングやサーフ、堤防などでも人気のターゲットとなっています。
旬は地域によって異なりますが、春から初夏にかけて釣れる個体は身が締まり、秋にはベイトをたっぷり食べて脂が乗るものも見られます。
なお「サゴシ」という名前の由来には諸説ありますが、「狭い(小さい)コシ(サワラ)」が転じたという説が有力とされています。
サワラに比べて小型であることから付けられた名前と考えられています。
サワラとの違い
サワラとの味の違いはひとえに「脂の乗り具合」で、捌いてみると一目瞭然。
サワラの身は捌くとこんなにたっぷりと脂が乗っていて、特に秋頃のサワラはバターのような濃厚なコクがあります。

一方サゴシは脂の乗りはかなり控えめ

ただし身にはしっかりとした旨味があり、酢締めや刺身などでも美味しく食べられます。
サゴシはまずいと言われる理由
まずこれからサゴシを持ち帰って食べようという方が一番気になっているのが「サゴシが不味い」という話の真偽について。
そもそもサゴシが不味いと言われる理由で多いのが
- 独特な匂いがある
- 脂の乗りが悪い
というもの。

確かにサワラやサゴシの表面には独特なクセのある匂いがしますが、きちんとぬめりを落とせば問題はありません。
そして脂の乗りについてですが、上で紹介したとおりサワラとサゴシではかなり差があります。
なので当然、刺身などの脂の乗りに直結する調理法を選ぶとサワラに見劣りしてしまうのですが、逆に脂の少ない魚に向いた酢締めなどの調理法を選べば美味しく食べることができます。
つまりこれらはサゴシが不味い魚なのではなく、適切な下処理、適切な調理法が選べていないだけなのです。
釣ったサゴシの下処理について
まずは釣ったサワラ・サゴシの下処理について。
サワラはサバの仲間で特に鮮度が落ちるのが早い魚なので美味しく食べるには適切な下処理が必須です。
船の上 or 釣ってすぐにやること
船の上でやるべき下処理についてまとめてみました。

- 脳締めor神経締め
- 血抜き
- クーラーボックスで保管(重要)
サゴシは鮮度が落ちるのが早いので、まずは脳締めや神経締めで魚を締めます。
神経締めは特別な道具が必要なので、僕はいつもナイフで脳締めしています。
魚を締めたらすぐに血抜きです。
血抜きが不十分だと身を食べた時に血の味が生臭くなるので、体側から2枚目のエラをハサミでカットしてバケツの中に頭から突っ込みます。
船釣りならバケツの水が常に循環しているので、バケツの色が透き通ったら完了です。
最後にクーラーボックスでの保管について。
たまに釣った魚をバケツの中に放置している方がいると思いますが、白身魚であればまだ良いものの、傷むのが早いサワラでは絶対NG。
サバやサワラなどの魚は死後に自らの酵素で自己分解が進んでしまうので、酵素の働きを抑えるためにも血抜きが終わったら速やかに氷のたくさん入ったクーラーに入れましょう。
家に帰ってからやること
続いて家に帰ってからやることについて。
こちらについては普通の魚と同じなのですが、簡単にまとめてみました。
- ぬめりをとる
- 内臓をとる
- 水気をふき取って、冷蔵庫に保管
ちなみに魚の下処理であると便利な道具については下の記事でまとめているので、気になる方はご覧ください。
まずぬめりについてですが、サゴシはぬめりが強くて独特な匂いがすることで有名な魚。

サゴシについてネットで調べてみると「サゴシ まずい」と言った予測変換が出てくるのですが、その理由は大半がぬめりが十分に取り切れていないことなので、丁寧に取るようにしましょう。
ぬめりをとる方法ですが、まずはお酢を使ってサワラの表面をこするとかなり取れてきます。
ぬめりが強く残っている場合は、サゴシに塩をかけて体表をこするとぬめりが取れます。
特にお酢は消臭効果もあるので、独特な匂いのするサゴシにピッタリです。
その後、肛門から包丁の刃を入れて腹を捌き、内臓を取ります。

内臓を取り切ったら、背骨付近の血合いもきれいに落とします。

水で洗い流して魚を綺麗にふき取ったら、鮮度ペーパーなどに包んでラップで包み、冷蔵庫で保管します。

ここまですれば傷むのが早いサゴシでも、冷蔵で3日くらいまでは刺身で安心して食べられます。(人によっては2週間ほど熟成させる方も)
アニサキスが心配な方は、この状態で冷凍保存しましょう。
厚生労働省によるとマイナス20度で24時間以上とのことですが、家庭用冷凍庫ではそこまで下がらないことが多いので、僕は48時間ほど冷凍しています。
サゴシの美味しい食べ方5選
ここからはオススメのサゴシの美味しい食べ方を紹介します。
その① サゴシの刺身・炙り

まず試して欲しいのが刺身。
サワラやサゴシの刺身は鮮度が落ちるのが早くなかなか市場に出回らないので、刺身で食べられるのはまさに釣り人の特権。
サワラに比べて脂の乗りは劣るものの、旨味が強く始めてたべるならぜひ試して欲しい一品です。
作り方
作り方と言っても特別なことはなく、三枚におろして刺身状に切るだけ。

まずは背中側のところからガイドを入れるために5mm~1cmほど切れ目を入れて

二回目で背骨に沿って刃を入れます。

こちらはサゴシを半身に卸したあとの様子。
その後、背骨がついた方の身も卸します。
この時、取った背骨は絶対に捨てないでください!
続いて、あばらの部分の骨を取り除きます。

この部分はマグロで言う大トロの部分で脂がたっぷりのっているので、できるだけ薄く骨を削ぎ取りましょう。(上の写真はサワラのアバラの部分)
この時、はぎとった後の骨の部分は必ず取って置いてください。
その後、中骨取り除きます。

大型のサワラであれば中骨に沿って身をカットしてから取り除けばよいのですが、サゴシサイズは身が小さくなりすぎるので骨抜きで取り除きます。
その後、普通の魚であれば皮を剝ぐのですが、サワラやサゴシは身がつぶれやすく皮が剥ぎにくいので、刺身で食べる場合はそのまま残すようにして刺身にするとよいでしょう。
ちなみにトーチを持っている方は、絶対に表面を炙った炙り刺しがオススメ。
というか、サワラやサゴシの炙り刺しをするためにトーチを買っても良いくらいです笑

ちなみに僕が使っているのはこちらのバーナートーチ。
送料込みで750円程度なのに、360度どの方向で使用できるのでオススメです。
そして刺身状にカットしたのがこちら。

炙りにしたときの香ばしさ、そして口に入れた瞬間に舌の上で脂がとろけてなんとも言えない贅沢な気持ちになります…!
サワラに比べて脂の旨味は少ないものの、それでも身近な魚の中ではトップレベルで美味しいです。
その② サワラのネギトロ丼
続いてサゴシのネギトロ丼です。
使用するのは先ほどはぎとった背骨とあばらの部分。

この部分には脂の乗った身が残っているので、スプーンではぎとると

余った身がこんなに取れました!
しかもこの部分は脂が乗って本当に美味しいんです!
背骨の部分もあわせてとると、こんなに集まりました。

これをご飯の上に盛り付ければ

ネギトロ丼の完成です!
マグロのネギトロよりも若干さっぱりとした味わいですが、それでも脂の乗りがよく本当に美味しいです。
本来、捨てていた部分からこんなに美味しいどんぶりが取れると思うと最高ですね!
その③ 酢締め

3つ目の料理は酢締め。
こちらはサワラよりも、脂の少ないサゴシにオススメの調理法。
必要なものは下の通りです。
◆レシピ
サゴシの切り身:1匹分
お酢:150cc
塩:大さじ2杯程度
砂糖:小さじ2杯
出汁昆布:2cm程度
まずは表面に塩をまんべんなく刷り込み、30分ほど放置します。

30分後、切り身から水が出てきます。
その後、水で切り身の表面の塩をサッと洗い流します。

この時、時間をかけると切り身が水を吸ってしまうので、サッと洗ってすぐにふき取りましょう。
その後、出汁昆布、砂糖、酢を入れた袋やタッパーに切り身を入れて、一晩寝かせます。

一晩経ったら、表面をふき取って刺身状にカットして完成です。

さすがはサバの仲間というだけあって、しめ鯖に似た味をしています。
切り身から水が抜けた分、旨味がギュッと濃縮されて味わい深いです。
またそのまま食べても美味しいのですが

表面を炙った炙りしめ鯖も抜群に美味しいので、トーチがある方はぜひ試してみてください。
その④ 煮つけ
続いて煮付け。

サゴシも身が柔らかく旨味がしっかりしているので、煮付けにしても美味しいです。
身の部分は勿体ないので、カマなどの部分を使用します。
◆レシピ
サゴシのカマ:数匹分
砂糖:大さじ2杯程度
醤油:大さじ2杯程度
料理酒:大さじ2杯程度
生姜:6スライス
水:100cc
まずは頭やカマの表面のぬめりを落とします。
この時、ぬめりが残るとできあがった煮付けも生臭くなるので、お湯をサッとかけて洗い流しても良いです。

その後、材料を全て鍋に入れて弱火~中火で加熱します。
加熱する時はアルミホイルで蓋をします。

その後、好みの照り具合になるまで水を飛ばせば完成です。
頭には結構身が残っていて、個人的にオススメなのが鼻から首にかけての部分。

この部分は身が取りやすい上に、脂の乗りも良くて抜群に美味しいです!
刺身が美味しすぎて「サゴシを釣ったら煮付け!」とはならないのですが、サゴシの旨味と甘辛いタレが美味しいので、カマの部分を普段捨てている方にはぜひ試して欲しいと思っています。
その⑤ サワラ餃子

5つ目はサワラ餃子です。
僕も初めて知った時にはビックリしたのですが、実は中国ではサワラを餃子にする地域があるそうで、調べてみると日本でも岡山では餃子にして食べていたそう。
用意するのは以下の通りです。
◆レシピ
サワラ・サゴシの切り身:1匹分(400g)
水:40cc
塩:10g
砂糖:5g
卵白:2個※
鶏ガラスープ:6g※
片栗粉:20g※
料理酒:10g※
ごま油:大さじ二杯※
にら:1束※
生姜:ひとかけ※
ネギ:20g※
餃子の皮:50枚
まずはサゴシの身を包丁でたたきます。

その後、塩、砂糖、水を加えて混ぜます。

その後、※のついた食材を刻んだ後に全て入れて混ぜ合わせます。

その後、冷蔵庫で30分ほど作った種を冷やしましょう。
30分経ったら、餃子の皮で包んで

形を整えます。

あとは油をひいたフライパンに並べて加熱して、水を入れて蒸し焼きにして

蓋をとって、焦げ目ができるまで焼けば完成。

見た目は完全に普通の餃子ですが、その味はというと…

豚肉よりもさっぱりとした感じですが、プリっとした食感はまるでエビ餃子に近い感じ!
サゴシの旨味もしっかり感じられて、これは餃子として美味しいです!
タレは普通のタレでも良いのですが、個人的にはみそタレがよく合います。
作るのに時間がかかりますが、普段の餃子とは一味違った味をしているので、刺身や塩焼きとは違ったサゴシ料理を試してみたい方はぜひ作ってみてはいかがでしょうか?
今回は釣ったサゴシで作るオススメの美味しい料理を5つ紹介しました。
サゴシは不味いと言われることがある魚ですが、きちんと下処理をすれば美味しい魚なので、ぜひ食べる際の参考にしてみてください!
FAQ
Q. サゴシは刺身で食べられますか?
→サワラに比べて脂の乗りは劣るものの、刺身でも美味しく食べられます。ただし寄生虫アニサキスのリスクがあるため、刺身で食べる際には注意が必要です。
Q. サゴシはまずいと言われる理由は?
→サゴシが不味いと言われることが多いのは、脂の乗りと独特な匂い。
脂の乗りに関してはむしろ酢締めは脂が控えめな方が美味しいくらいですし、独特な表面の匂いについてはお酢を使ってしっかりとぬめりを取れば食べる時には気にならなくなります。
Q. サゴシとサワラは何が違いますか?
→サワラとサゴシの違いは大きさに寄る呼び方の違いです。
関西では40-50cmをサゴシ、60cm以上をサワラと呼ぶことが多いです。
Q. サゴシは皮を引くべきですか?
→サワラもサゴシも皮が薄く包丁で引くことは難しいです。そのため刺身で食べる場合は、皮目を付けたままにして、最後にトーチで炙る炙り刺しがオススメです。

