もはや釣具屋並みの品ぞろえとも言われるダイソー釣具。
そんなダイソー釣具からまたも驚きの商品「ベイトリール」が登場しました!
今回はそんなダイソー釣具のベイトリールが本当に使えるのか、実際に釣りで使ってみた感想や分解した様子、購入前の注意点などについて紹介します。
【ダイソー釣具】ベイトリールをインプレ!釣りで使った感想や購入前の注意点は?
ダイソー釣具 ベイトリールの概要

商品名:AI-2000
値段:1,100円(税込)
ギア比:5.3:1
ボールベアリング数:1
タイプ:右巻き
重量:約200g
ブレーキ:マグネットブレーキ
スプール重量:約22g
ラインキャパシティ:ナイロン3号150m
商品コード:4550480595634
今回紹介するのはダイソー釣具のベイトリールです。
値段はダイソー釣具の中では高額商品の1,100円ですが、ベイトリールとして考えると1,100円はとんでもなく安い部類。
ギア比は5.3:1のローギア。
そしてハンドルは右巻きのみで、スピニングリールと違って左右にハンドルを付け替えることは不可となっています。
商品スペックから確認できることは以上なのですが、本体を触って確認してみると
マグネットブレーキ:12段階だが25段階で調節可能
ボールベアリング数:スプール内部に1個のみ
スプール重量:約22g
本体重量:約200g
となっていました。
ネット上では「ダイソーのベイトリールが凄い」と話題になっているのですが、個人的には価格相応といった感じで特に初心者にはオススメしないというのが率直な感想です。
それではダイソーのベイトリールが初心者向けではない理由や、詳細について紹介していきます!
外観をチェック!
まずはダイソーベイトリールの外観をチェックしていきます。

ボディは安価なリールにありがちな樹脂でできた艶消しのボディ。

青色のスプールと黒のボディというカラーリングはカッコイイのですが、やはりボディの素材のせいで安物感があります。
初代激安リールであるアブガルシアのBLACKMAXをワンランク安くしたようなイメージです。

ボディにはギア比の記載や

ベアリング数の記載があります。

ちなみにベアリングはリールの回転に関わる重要なパーツで、高価な機種ほどたくさん使用されているのですが、ダイソーのベアリングは標記上3個。
また分解してみるとそのうちボールベアリングはスプールに1か所使用されているだけで、残りはプラスチックです。
ベアリングの数だけがリールの良しあしを決めるわけではありませんが、安価なリールでもだいたい4個くらいは入っている気がするので、これだけ少ないのも見たことがないレベルです。
ブレーキシステムはマグネットブレーキを採用。

開封するとこんな感じで、ダイヤルを回すとマグネットがスプールに近づくことで、磁器によってスプールの回転を抑制してくれます。

あまりに安価なリールなのでブレーキがメカニカルだけというのも覚悟していたのですが、マグネットブレーキが入っているようで安心しました笑
ちなみにブレーキは標記上12段階なのですが、約0.5刻みで調節できます。

ただここにも安物感が出ており、微妙にズレるので僕の個体の場合は25段階で調節が可能でした笑
ダイヤルを回す時にはカチカチとクリック音が鳴って楽しいです。
続いてメカニカルブレーキ。

こちらは回しても特にクリック音はありません。
ちなみにこの部分はスプールの回転に関わる重要な部分なので、ベアリングが入っていることが多いのですが

内部を確認すると、当然のように入っておりません。
続いてハンドルについてですが、こちらの巻き心地については意外と軽いです。

ハンドルを回すとカタカタ、シャリシャリと異音がするものの巻き心地としてはなかなか軽く、このクラスのリールならハンドルが笑ってしまうくらい重いのもあり得ると思っていたので良い意味で期待を裏切られました。
ちなみにハンドルノブについては普通に悪く

ノブがプラスチックで握り心地も硬いですし、回すとカタカタと音が鳴ります。

べアリングも当然入っておらず、ネジにもなっていないのでカスタムする場合はハンドルの土台から交換する必要があります。
ドラグについてですが、これは意外と普通。

ドラグ音も鳴りません。
レベルワインダーですが、ハンドルを回すと左右に移動してくれます。

激安リールということでレベルワインダーが動かないことも期待していたのですが、最低限の機能は兼ね備えていそうでした!
最後にリールの重量について。
手に持った感じは、このサイズ&価格のリールであれば普通で

実際に測ってみても201g。

改造済ではあるもののBLACKMAXが203gだったので、ダイソーのベイトリールがとりわけ重いといったこともなさそうです。
分解して中身をチェック!
ここからは分解して中身をチェックしていきたいと思います!
分解についてはドライバーとメガネレンチがあればできるのですが、少し注意点もありまして

こちらのリール、ネジの頭が緩いです。
サイズの合ったドライバーで力を入れて回したところ、完全にナメってしまいました。
もし分解される際は注意して回してみて下さい。

さて、どうにかネジを外せたので分解していきます。

ネジを外した後はメガネレンチでナットを外し、その後はドライバーだけで分解できます。
少し順番が前後してしまうのですが、スプールを取り外して確認します。

メカニカルブレーキのカバーをくるっと回すとカバーが外せるので

その後、スプールを取り出すことができました。

スプールの横を見ると、ボールベアリングが使用されています!
他の箇所を分解してみても、これが本リール最初で最後のボールベアリングでした笑
ちなみにベイトリールでルアーをキャストする際に、非常に重要なのがスプールの重量。
スプールが軽いほど軽量ルアーをスムーズにキャストできるのですが、その重量を測ってみると…

重さは約22gでした。
これが重いか軽いかで言うと重めの部類で、経験的には10g以下の軽量ルアーはスプールの重量に負けて遠くに飛ばせないイメージ。
もし軽量ルアーをキャストしたい場合、何らかの手段で軽量スプールと交換する必要がありそうですね。
さて、スプールを取り外した場所にネジがあったということで先にスプールを外したのですが、ボディの分解に戻ります。
カバーを取り外してみると

中身は意外と普通!
メインギアも金属製です。

もっとパーツの数が驚くほど少ないとか、メインギアがプラスチックとかを期待していたのですが、中身は一般的なベイトリールでした。

いざ、実釣インプレ!
それでは実際にダイソーのベイトリールが釣りで使えるのか、試してみたいと思います!

タックルの情報は以下の通りです。
- ロッド:シマノ ゾディアス161M(ルアーウェイト7-21g)
- ライン:ナイロン3号150m
- ルアー:7g、18g、30g
僕はベイトリールはバス釣りなどで普段から使用しているのですが、ここまで安価なベイトリールを使うのは初めての経験。
特にベイトリールは価格に性能差が表れやすいので、そもそもキャストできるのかさえ分からないのでドキドキです。

まずは慎重に、メカニカルブレーキをガン締めして

マグネットブレーキも最大に。

まずは手始めに7gのルアーからキャストしてみると

「あれ、キャストできてる…?」

もちろん快適では決してないのですが、ルアーをキャストすることができました!
キャスト時にスプールからブオーン!と変な音がしたり飛距離の課題はあるものの、何とか釣りとして成立させられそうです!
さて、細かい調整を繰り返しベストな設定が見つかったので、7gのポッパーの飛距離を計測してみました。
すると

飛距離は15m
うーん、これは厳しい…
スプール重量が22gもあるため、さすがにルアーの重さがスプールの重さに負けていそうですね。
10m以内にブレイクがあるポイントなら使えないこともないのですが、これは使いどころがかなり限られます。
ちなみに飛距離を伸ばすために試行錯誤をしてみたのですが、メカニカルブレーキをゼロポジション(触ってカタカタ鳴るギリギリライン)まで緩めてみたところ

安定のバックラッシュ
こちらのリール、使用されているパーツがお粗末なわりにキャストできないこともないのですが、扱いが難しく普通に糸が浮いたりバックラッシュしたりします。
メカニカルを緩めるとキャスト後に空中で糸が浮くレベルなので、メカニカルを緩める場合はフルサミングが必須。
というとで、どうせフルサミングするくらいならメカニカルブレーキを常にガン締めした方がトラブルが少なく使えそうだなと思いました。
では重いルアーの場合、飛距離はもっと伸びるのでしょうか?
という訳で、お次に18gのメタルバイブをキャストしていきます。

先ほどよりも重いルアーということで、これならスプールの重量にも負けないはず。
何度かキャストして設定を掴んでから、いざキャストしてみると

スプールが変な音を立てながら、先ほどよりも遠くへルアーが飛んでいきます!
では気になるその飛距離はというと

26mです!
うーん、こちらも厳しい汗
ルアーの重量が増えて格段に扱いやすくなったのですが、メタルバイブは飛距離が出やすいルアーなので、他のリールなら40mくらいは飛ばせるはず。
ブレイクが近いところなど使いどころを選べば釣りは成立しそうなのですが、ダイソーベイトリールのために新たに場所を開拓する必要さえありそうです笑
ではさらにルアーの重量を上げて、30gのメタルジグ。

恐らくこのリールでキャストすることはないかと思うのですが、限界を知りたいのでトライしてみます。
では先ほどと同様にセッティングを調整しながら、キャストしてみると

今までの中で一番とんだ感じがします!
さすがは30gのメタルジグ、やはり重たいルアーの方がダイソーベイトリールは扱いやすいですね。
さて、気になるその飛距離は…

29m
これでもギリギリ30mに届かないのか…!
もちろん腕とかタックルによっても結果が変わってくるかと思いますが、飛距離の面ではダイソーのベイトリールはかなり厳しいですね。
パーツの性能が低いこともありますし、トラブルを防ぐためにメカニカルブレーキをガン締めしているなどの制約もあって、この結果になってしまっている気がします。
購入前の注意点は?初心者の入門用に使える?
最後にダイソーベイトリールの注意点について!
こちらのベイトリール、既に多くのYOUTUBERなどに紹介されておりコメントでも「ベイトリールの練習用にしたい」「子供の釣具にぴったり」といった意見が見られますが、ベイトリール初心者がこちらのリールを購入するのはオススメしません。
確かに値段は1,100円と手ごろなのでお試して購入したくなる気持ちもわかるのですが、ベイトリールはスピニングリール以上に設定面がシビアなリール。
- スプールの重量
- ルアーの重量
- ラインの種類、太さ
- ロッドの硬さ
などの道具選びの時点で問題があると経験者でも上手にキャストできませんし、そもそもダイソーのベイトリール自体が性能が低く扱いにくいので、僕の印象では「ベイトリールの経験者が、適切なタックルセッティングをした上で工夫をしながら扱えばなんとか使えるレベル」
もしこれを知らずにベイトリール初心者の方が買ったら、あまりの使いにくさに「ベイトって難しいな…」と感じてしまうのも無理はないかと思います。
なのでベイトリール初心者の場合、同じ買うにしてもダイワやシマノ等のメーカー品の1万円以下のものからチャレンジした方が無難かなと思いました!
ダイソーベイトリールはどんな人に向いている?
僕なりにダイソーのベイトリールに向いている人を考えてみました。
それは「リールのカスタムにチャレンジしてみたい人」です。
一度手を付けるとどっぷりとハマってしまうリールのカスタムですが、リールは精密機械で一度ばらしてしまうともとに戻せないというのもよくある話。
ですがダイソーベイトリールは1,100で購入できるので、まさにリールのカスタムの入門にはピッタリ!
分解したところ構造もそれほど特殊ではないですし、使用されているパーツも安価で伸びしろしかないので、リールのカスタムのデビューにはピッタリの一台と言えるでしょう。
今回はダイソー釣具から登場したベイトリールについて紹介しました。
決して初心者向けのアイテムではないのですが、リールのカスタムをしてみたい人だったり、クセのあるリールを使い込む楽しみが感じられるリールなので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい!
他にもダイソー釣具のレビューを行っているので、気になる方はこちらもご覧ください。