PEラインで最もメジャーな結束方法であるFGノット。
編み込み回数については釣り人それぞれで何回がいいか意見が分かれるところですが、実際に測定してみた方は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、そんなFGノットの編み込み回数について強度を測定して実験してみました。
FGノットの編み込み回数は何回がベスト?実際に測定してみた結果
実験の設備紹介
今回の実験に際し、糸の号数や設備などを紹介していきます。
使用するライン、リーダー

使用するライン、リーダーは以下の通りです。
- PEライン:ダイソーPE1.5号(10kg)
- リーダー:魚に見えないピンクフロロ6号(11kg)
ノットはラインの太さによっても相性があり結果が変わってくるところかと思いますが、今回はPE1.5号で実験を行いました。
PE1.5号に対しリーダーがやや強めではありますが、本実験ではリーダーが切れるとノットの数値が測定できないため
リーダー>PEライン
となるように選択しています。
またPEラインは乾いた状態だと強度が下がってしまうことから

ラインは水に浸けた状態にして、測定直前にも改めて水で濡らして測定しています。
ノットの結束方法について
FGノットの結束については、第一精工のノットアシスト2.0を使用しています。
結び方についてはリーダーをPEに左右の1回ずつを1セットとして編み込み(5セットだと10回潜らせています)

ハーフヒッチで仮止め、次のハーフヒッチでPEラインの色が変わるまで締め込み

追加で左右4回ずつハーフヒッチを行います。
その後リーダーをカットして、再度ハーフヒッチを左右5回ずつ行い、エンドノットをして完成です。

実験については最初の編み込み回数のみ変更し、ハーフヒッチなどの回数については条件を揃えて行いました。
測定方法
続いて測定方法についてですが、引張試験機にセットして両サイドから引っ張る形で測定しています。

以前はデジタルスケールを使って人力で引っ張っていたのですが、これにより安定した力で引っ張ることが可能になりました。
試しにダイソーPEライン1.5号を試験機で引っ張ってみたところ

1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均値 |
---|---|---|---|
9.64kg | 9.94kg | 10.66kg | 10.08kg |
3回の平均値が10.08kgと、パッケージ表記の10kgとかなり近い数値が出たので、この結果はかなり信憑性がありそうです。
算出方法
算出方法については「5回測定した平均値」で結果の比較を行いました。
最大最小を省くトリム平均も検討したものの「ノットはうまく結べた時よりも最低をベースに考えるべき」と僕は考えているので、敢えてすっぽ抜けなども含めて計算することで、ノットの安定性も数値に反映させるようにしています。
また進め方については編み込み1回から測定する方法もあるのですが、実は一人で実施するのがなかなかの重労働なので、左右の編み込みを1セットとして
- 5セット
- 10セット
- 15セット
- 20セット
の場合を測定し、傾向が見えてから細かく実験するという方針で進めています。
5セットの場合
まずは5セットの場合から測定していきます。
編み込み回数が減るとノットを組むのは楽ですが、では強度を測定してみると

7.61kgでラインが切れました。
ラインの強度が10kgであることを考えるとノットが原因となっていそうですし、破断箇所を見てみると

しっかりノットの部分で切れていました。
その後4回、同条件で測定した結果がこちら。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均値 |
---|---|---|---|---|---|
7.61kg | 7.67kg | 6.94kg | 6.30kg | 5.36kg | 6.77kg |
編み込み回数5セットの結果は、平均6.77kgでした。
まだ比較対象がないため何とも言えませんが、10kgのラインが6.7kgでブレイクするとなると、ノットが原因で十分な強度が出ていなさそうな感じがしますね。
10セットの場合
続いて10セットの場合。
恐らくFGノットで最も多くの方が10セットで編み込んでいるのではないでしょうか?

先ほどと変更したのは編み込み回数だけで、他の条件はすべて揃えて実験しています。
では試験機にセットして、力を加えてみると

1回目は8.87kgでした。
2回目以降の結果を表にまとめたものがこちらです。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均値 |
---|---|---|---|---|---|
8.87kg | 8.33kg | 8.04kg | 8.09kg | 8.46kg | 8.35kg |
平均強度は8.35kgと、先ほどの5セットの時よりも強度が大幅に向上しました。
編み込み回数しか変えていないので、編み込み回数を増やしたことが強度のアップにつながっていそうな気がします!
15セットの場合
続いて15セットの場合。

編み込み部分が長くなり、このあたりまでが実用的な編み込み回数のが限界といった感じ。
それでは強度を測定してみると

強度は10.52kg!
こちらのラインの結束前の強度が10kg程度なので、結束強度はほぼ上限と言ってもよいのではないでしょうか。
では5回の測定結果がこちら。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均値 |
---|---|---|---|---|---|
10.52kg | 8.37kg | 9.37kg | 9.58kg | 8.92kg | 9.35kg |
5回の平均強度は9.35kgで、10kgのラインとしてはなかなかの強度です。
ここまで
- 5セット:6.77kg
- 10セット:8.35kg
- 15セット:9.35kg
と編み込み回数が増えるごとに強度がアップしているので、次の20セットの結果が気になりますね。
20セットの場合
続いて20セットの場合です。

このあたりになると結び目がかなり長く、ノットの半分程度までしか締めこめなくなっているのですが、果たして強度はどのようになるのでしょうか?
では試験機にセットして力を加えてみると

結果は9.14kgでした!
15セットの平均値である9.35kgにはやや劣るものの、十分な強度です。
それでは5回測定した結果がこちら。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均値 |
---|---|---|---|---|---|
9.14kg | 10.01kg | 9.74kg | 7.84kg | 9.28kg | 9.22kg |
5回の平均値は9.22kgとなり、十分な強度が出ているものの15セットの時よりは下がる結果に。
もっと試行回数を増やせば結果が変わる可能性があるものの、10kgのラインの強度としては9kg以上で頭打ちと考えて良さそうな気がします。
中間考察
5セット、10セット、15セット、20セットが終わったところで、中間考察を挟みます。
それぞれの結果を線グラフにまとめると、以下のようになりました。

このグラフで気になるところをピックアップすると
- 15セットで強度が一番高い
- 5セット~15セットまでは右肩上がり
- 15~20セットでは停滞している
といったことが分かりました。
このことから
- 15セットまでは編み込み回数を増やすと強度がアップする
- 15セット付近では編み込み回数を増やしても効果が薄くなるor低下する
といった仮説が立ちました。
ただし強度が10kgのPEラインで9kg以上の強度が出れば恐らく上限に近いかと思うので、ここからは何セット以上編み込めば十分な強度が出るのか、11セット~14セットまでの強度を測定して検証したいと思います。
10~15セットまでの結果がこちら
ここからは同じような画像が続くため、結果をまとめて紹介します。
セット数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均値 |
---|---|---|---|---|---|---|
10セット | 8.87kg | 8.33kg | 8.04kg | 8.09kg | 8.46kg | 8.35kg |
11セット | 9.73kg | 9.13kg | 8.86kg | 9.01kg | 7.87kg | 8.92kg |
12セット | 8.47kg | 9.19kg | 9.63kg | 8.96kg | 10.22kg | 9.29kg |
13セット | 9.43kg | 9.47kg | 9.44kg | 9.49kg | 9.65kg | 9.50kg |
14セット | 10.59kg | 9.63kg | 9.32kg | 10.21kg | 9.23kg | 9.80kg |
15セット | 10.52kg | 8.37kg | 9.37kg | 9.58kg | 8.92kg | 9.35kg |
結果を見ると、14セットで結束強度は最大の9.80kgを記録しました。
編み込み回数と平均強度を線グラフでまとめたものがこちら。

上のグラフから
- 14セットまでは編み込み回数が増加すると強度もアップする
- 15セット以上では強度はアップしない
ということが読み取れました。
なので強度ベースで考えるのであれば、PEライン1.5号であれば14セット編み込むのが理想と言えそうです。
ただし釣りでは強度だけでなく手際の良さも大事で、時合が来ている時にはゆっくり時間もかけていられないシーンもあるはず。
そんな時は少なくとも12セット以上編み込めば9kg以上の強度が出せるので、急いでいる時でもできれば12セット以上編み込んだほうが良いと感じました。
ちなみに今回のFGノットの結束に際し第一精工のノットアシスト2.0を使用したのですが、40回以上結束してすっぽ抜けは0回。
こちらのアイテムを使用して今まで1度もすっぽ抜けを経験していないので、ノットに不安を感じることなく安心してフルキャストできています。
いつも安定した強度が出せることからFGノットが慣れている人でも愛用者は多いので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
今回はFGノットのベストな編み込み回数について紹介しました!
あくまでPE1.5号での結果となりますが
- 強度を優先するなら14セット
- 効率重視なら12セット以上
との結果となったので、気になる方はぜひ参考にしてみてください!