マダイを狙っている時によくゲストで釣れるホウボウ。
赤い体に大きくて青い羽のようなインパクトのある姿なのでリリースしてしまう方も少なくないのですが、実はフグにも比較されるような非常に美味しい魚なんです。
そこで今回は、そんなホウボウの下処理から美味しい食べ方まで丁寧に紹介します。
ホウボウの美味しい食べ方はコレ!下処理や誰でもできるレシピを紹介
タイラバで釣れたホウボウ
先日、タイラバをしていると同船者にヒットしたホウボウ。
筆者も過去にボートで釣りをしている時にホウボウがヒットしたことがあるのですが
- 羽のように大きくて青いヒレ
- 真っ赤な体色
とあまりに派手な体色で食べる気になれずリリースし、後日高級魚だと知って後悔した過去が。
という訳で今回は同船者のご厚意で譲ってもらえることになったので、美味しく頂くことにしました。
ホウボウの下処理方法
ここからはホウボウの下処理について。
まな板に置くと自立するくらい棒状で変わった形をしているホウボウですが
下処理の流れは他の魚と同じで
- うろこ取り
- ぬめり取り
- 内臓の処理
- 三枚おろし
の順で進めます。
うろこ取り&ぬめり取り
まずはうろこ取りとぬめり取りです。
順番はぬめり→うろこの順でやっても良いのですが、僕はその日のうちにうろこまで取る場合は先に鱗を落とすようにしています。
基本的な流れは他の魚と全く同じなのですが、注意点があるとすればホウボウはぬめりがかなり強い魚で
触ると写真のように糸を引くほど。
このようなぬめりの強い魚はいくら塩で揉んでもなかなかぬめりが取れないので、体表にお酢をかけると簡単にぬめりを取ることができます。
お酢でぬめりを落とす方法は以下の記事で紹介しています。
うろこは非常に小さいのですが、尻尾から頭に向かってうろこ取りを滑らせれば簡単に落とすおとができます。
内臓の処理
続いて内臓の処理です。
内臓は肛門から包丁の刃を入れて、エラの付け根まで切れ込みを入れます。
この時、包丁を深く入れると内臓を傷つけてしまうので、包丁の先だけ入れるようにしましょう。
その後、エラと内臓をセットで取り出すのですが、この時必ず忘れてはならないことがあります。
それは浮袋を取り出すこと。
浮袋といえば魚が浮力を調整するための器官なのですが、実は魚の浮袋(特にイシモチ)はナマコ、アワビ、フカヒレと並んで中国四台海味の一つに数えられれるほどの高級食材。
特にホウボウは浮袋が非常に発達していて食べ応えがあるので、興味がある方は捨てずに丁寧に取り出して水洗いしましょう。(浮袋の下処理については本記事の下部で紹介します。)
内臓を取り出したら、ぬめりや血液が残らないように丁寧に洗い流します。
三枚おろし
ここからは三枚おろしです。
ホウボウは独特な形をしているものの、手順としては他の魚と変わらず、まずは胸鰭と頭を落とします。
この時に気を付けてのが、頭や骨を捨てずにとっておくこと。
ホウボウの頭と骨からは良いダシが出るのですが、ホウボウを使ったみそ汁は長崎の郷土料理で有名なので、ぜひみそ汁用にとっておきましょう。
その後は背骨に沿って軽く切れ込みを入れ
次にしっかりと切れ込みを入れて卸します。
反対側の身もおろしたあとに、脇腹部分と中骨も取れば三枚おろしは完成です。
オススメのホウボウ料理
ここからはホウボウを使った料理を紹介していきます。
ホウボウの刺身or焼き霜造り
ホウボウを食べるならまずオススメしたいのが刺身or焼き霜造り。
ホウボウは高級魚のフグとも比べられるような上品な味わいの魚で、その素材の良さを味わうならやはり刺身が一番だと思っています。
刺身にする場合、先ほどの柵をスライスすれば刺身になりますし、もしトーチをお持ちの方であれば
皮目を炙って、焼き霜造りにすれば炙りの香ばしさがアクセントに!
ホウボウの皮は硬いのでしっかり炙ります。
さて気になる味についてですが、さすがはフグと比べられるだけあって淡白でありながら上品な甘みが口に広がる繊細な味わいをしています。
ホウボウを食べたことのない知人にふるまった時には、第一声が「甘みがあって美味しい!」と非常に好評でした。
ちなみにわさび醤油で食べても美味しいのですが、醤油はホウボウの繊細な味が少し隠れてしまう気がするので
塩をつけて食べると、よりホウボウの持つ素材の味を引き立たせることができます。
少しアクセントを加えたい方は
ゆずを少量入れると爽やかな風味になってオススメです。
長崎平戸の郷土料理、ホウボウの味噌汁
次はホウボウの味噌汁です。
ホウボウの味噌汁は長崎平戸市生月島の郷土料理のようで、ネギと豆腐とホウボウを使ったシンプルな料理なのだそう。
ということで今回は先ほどとっておいたホウボウの頭と骨に、ネギと豆腐と白菜を入れて作ってみました。
ホウボウの頭と骨にぬめりが残っていると臭みが出るので、お湯をかけた後に水で洗い流します。
続いて鍋にホウボウ、ネギ、豆腐、白菜を入れて煮立たせて
具材に火が通ったら、火を止めて味噌を溶いて出来上がり。
さっぱりとした味わいでありながらホウボウから出た旨味と、豆腐やネギなどの具材の旨味が合わさって優しい味をしていました。
加熱時間が15分程度だとホウボウの旨味があまり出ていなかったので、煮込む時間を長くするか、少し休ませてから再加熱するとより旨味が感じられました。
忘れてはならないホウボウの浮袋!
最後にホウボウの浮袋です。
浮袋は捨ててしまう方が大半だと思いますが、これは本当にもったいないのでぜひ試してみて欲しい珍味です。
取り出した浮袋ですが、お湯に30秒程度入れて火を通します。
すると白っぽい色をしていたのが、火を通すことで半透明になり加熱前よりも弾力のある感触に変わります。
あとはこの状態で食べやすいサイズに刻み、ポン酢で和えれば完成です。
肝心の浮袋の味についてですが、実は浮袋自体には味があまりないものの、ゼラチン質で強いコクがあるのでさっぱりとしたポン酢との相性は抜群。
一匹から少量しか取れないのですが、くにゅくにゅとした食感と独特のコクで一度味わうと病みつきになります。
スズキなど他の魚でも浮袋はとれるのですが、中でもホウボウはグゥグゥと鳴けるほど発達しているので本当にオススメです。
今回はホウボウの下処理方法や美味しい調理法について紹介しました。
ぜひホウボウを持ち帰って食べる時の参考にしてみてはいかがでしょうか?