「テナガエビって夜の方が釣れるらしいけど、本当なの?」
テナガエビ釣りをしていると耳にする話ですが、実際に夜の川へ行ってみると、その意味がよく分かります。
昼間はほとんど姿を見せないテナガエビたちが、夜になると一斉に動き始めるのです。

しかも夜釣りでは、
- 大型個体を目視で狙える
- 捕食シーンが丸見え
- “アワセが難しい理由”まで理解できる
など、単純に数が釣れるだけではないメリットも盛りだくさん。
今回は、実際に夜のテナガエビ釣りをして感じた「昼との違い」や「夜だからこそ有利な理由」「テナガエビの夜釣りに必要な道具」について紹介します。
テナガエビは典型的な“夜行性”
まず大前提として、テナガエビはかなり夜行性の強い生き物です。
昼間に川を覗いても、
- 石の隙間
- 護岸の穴
- 沈み物の奥
- 橋脚周り
など、とにかく暗い場所に隠れていることが多め。

そのため昼のテナガエビ釣りは、「まずエビが潜む障害物を探すことからスタート」になりがちです。
もちろん昼でも釣れますが、見えている範囲にエビが少ないことも珍しくありません。
ところが夜になると状況が一変します。
夜になると“別の川”みたいにエビが増える
夜の護岸をライトで照らしてみると驚きます。
昼は何もいなかった場所に、普通にテナガエビが歩き回っているのです。

しかも1匹2匹ではありません。
場所によっては、
「こんなに居たんか…」
と思うレベルで大量に出てきます。
これは夜になって活発にエサを探し始めるため。
昼は隠れていた個体たちが、夜になると一斉に徘徊を始めるので、“個体数が増えたように見える”わけです。
実際、昼はテナガエビが全く釣れないような水深の深いポイントでも、岸壁の浅いところまでやってくるので釣ることができます。
夜は大型のテナガエビを狙い撃ちできる
夜釣り最大のメリットのひとつがこれ。
大型個体をサイトフィッシングで狙えます。

特にオスのテナガエビはハサミが長く、ライトで照らすとかなり分かりやすいです。
つまり、
「今日はデカい個体だけ狙おう」
という釣りが成立します。
さらに、抱卵しているメスを避けやすいのも夜ならでは。

昼間は見えないまま釣ることも多いですが、夜なら狙う個体を選びやすくなります。
テナガエビの“アワセが難しい理由”が全部見える
テナガエビ釣りでよく言われるのがこれ。
「アタリがあってもすぐ合わせるな」
初心者ほど、ウキがスーッと横に動いた瞬間に合わせてしまいがちです。
ですが夜に観察してみると、その理由がよく分かります。
テナガエビはエサを見つけても、いきなり口には入れません。
- まずエサ目掛けて一直線で駆け寄り
- ハサミでエサを掴み
- 周りの個体をハサミで押しのけ
- 安全な物陰まで持って移動し
- 何度も咥え直して
- ようやく口の中に入れる
というプロセスを踏んで捕食しているのです。
つまり巷で言われる「ウキがスーッと動いてから20-30秒後に合わせろ」というのは、エビが安全なところにエサを移動して完全に口の中に入れているためであり、合わせてもすっぽ抜けてしまうのは、まだエビの口の中に完全にエサが入るまでにアワセてしまっているからなのです。
夜釣りの最大のメリットは、このテナガエビの一連の捕食の動作をしっかり見られること。
これを実際に見られるのはかなり大きく、夜釣りを経験すると、昼間でも「今はまだ待つタイミング」が分かるようになります。
実際に夜釣りで釣ってみた
それではテナガエビを実際に夜釣りで釣ってみましょう。
必要な道具は基本的に昼間の釣りと変わらず、エサとなるミミズと竿とテナガエビ用の仕掛けなのですが、そこにヘッドライトが追加されます。

これは普通のヘッドライトではダメで、絶対に赤色が照射できるヘッドライトにしてください。
なぜ普通の白色のライトではダメなのかというと、白色ライトはテナガエビを警戒させてしまうから。
赤色ライトを当てて逃げなかった個体が

白色ライトに変えると、サーっと逃げ出してしまうのです。

釣りで使える赤色ライト付きのヘッドライトはあまり候補がないのですが、僕はシーボンズというメーカーのヘッドライトを愛用しています。
さて、では赤色ライトで徘徊しているテナガエビを探していきます。
かなり見づらいのですが、矢印のあたりにテナガエビがいたので目の前に仕掛けを投入します。

すると米粒ほどの小さなエサを目掛けて、テナガエビが駆け寄ってきました。
この時は周りにライバル個体がいないので、ハサミでエサを掴んではその場で何度も咥え直しています。
昼間ならアワセを入れるタイミングが難しいのですが、夜釣りのテナガエビは捕食の様子が丸見え。
口にエサが入ったのを確認してからじわっと引っ張ってみて、エビがエサを吐き出さずに引っ張り返して来たらサッと持ち上げます。

そして大型個体を無事にキャッチ!

昼間は捕食の様子が見えないのでタイミングが難しいですが、夜釣りは見ながら釣れるのでキャッチ率はかなり高め。
次々とサイトで個体を探しては

オスの個体をキャッチ

またまた大型個体。今度は片腕です。

この日一番の大型個体をキャッチ、色が黒ずんでいるので恐らく越冬個体でしょう。
記念に挟まれてみましたが、このサイズだとさすがに痛いですね(笑)

エビが見え続ける限り釣れ続けてしまうので、この日は5匹釣ったところで納竿。
ものの30分程度で大型個体を5匹キャッチしました。

昼間は数釣りができてもサイズは選べないので大型の個体をたくさん釣ろうとすると大変なのですが、夜釣りならサイズも選びたい放題。
普段は唐揚げにするのですが、今回は敢えての串焼きにしてみました。

ちなみに釣果アップのためにはハリのサイズも非常に重要で、市販の仕掛けを少しアレンジすると昼夜問わず釣果がアップします!

詳しい方法は下の記事で紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
ここで差が出る!テナガエビ釣りの仕掛けから釣り方のコツまで徹底解説!
大型個体から先に釣れる理由も分かる
観察していると、エサを投入した際にテナガエビ同士が意外と縄張り争いをしているのも見えてきます。
特に大型個体は、その長いハサミを使って
- 良い場所を占拠
- 小型を追い払う
- ハサミを広げて威嚇
といった行動を見せることがあります。
そして落ちてきたエサを見つけるや否や、まず周りの個体をハサミで追い払うのです。
そのため、同じポイントでは「まず大型から釣れる」という現象も起きやすくなります。
昼に釣るだけでは気付きにくい部分ですが、夜に観察するとかなり面白いです。
夜のテナガエビ釣りは“勉強になる”
夜のテナガエビ釣りは、単純に釣果が伸びやすいだけではありません。
- どうやってエサを食べるのか
- なぜアワセが難しいのか
- なぜ大型から釣れるのか
こういった“昼では見えない部分”が全部見えてきます。
そしてその経験は、昼の釣りにも確実に役立ちます。

浮きの動きを見ながら
スーッと横に動いている時:エサを持ち去っている
細かくちょこちょこ動いている:エサを持った個体が他の個体と取り合いをしている
ウキが止まった時:物陰に隠れてエサを口に入れている
といった具合に、ウキの動きを見るだけでテナガエビがどのような状況か予想が付くようになるのです。
この予想ができるようになると、昼間の釣りでもアタリがあった後のキャッチ率が上がるので、夜釣りを知ることで結果的に昼間の釣りもうまくなります。
今回はテナガエビを夜に狙う方法や、そのメリットなどについて紹介しました。
まだもしテナガエビの夜釣りをしたことがない方は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか?
