バチ抜けで釣れない人が誤解している“動かさない”の意味|ボイルが出るのに食わない理由

釣りの知識

「バチ抜けは簡単に釣れる」

よくネットではそのように紹介されていますが、やってみると「全然釣れない」と思った方も多いのではないでしょうか?

僕もそのようなイメージを持って冬の釣り場に立ってみると、水面にはバチ抜け特有の“モワッ”とした波紋。

ときおり小さなボイルも出ていて、シーバスがいることは間違いありませんでした。

しかし――釣れません。

一方で、同じ立ち位置でも同行者は10匹以上。

使っているルアーを真似してみてもアタリすらなし。

同じ条件なはずなのに「なぜ自分だけ釣れないのか?」

当時は原因が分かりませんでした。

ですが後になって気づいたのは、僕はバチ抜けは“ルアーを動かさない”という言葉を誤解していた、ということです。

この記事では、バチ抜けで釣れない人が陥りがちな誤解と、ボイルが出ているのに食わない本当の理由について整理します。

【大前提】バチ抜け=必ず釣れる、ではない

まず前提として、

「バチ抜けが起きている=必ず釣れる」

というわけではありません。

重要なのは次の3つです。

  1. 釣り場に入るタイミング
  2. 魚のいる場所に立てているか
  3. シーバスが好む動かし方ができているか

釣れていないときほど、「ルアーを変えること」に意識が向きがちですが、実際には”ルアーの動かし方”や”エントリーのタイミング”といった基本部分のズレが原因になっていることが少なくありません。


バチが抜けているのにシーバスが食わないケース

シーズン初期に起きやすいのがこのパターンです。

バチ抜けの成立は

バチが産卵モードに入る

シーバスが海から河川に戻ってくる

という順で起こるため、1月の後半あたりの早いタイミングだとバチが抜けていても、シーバスが河川に戻ってきていないためにパターンが成立しないということもあります。

僕のの経験だと水温が9度以下ではバチは抜けてもシーバスは入ってきておらず、10度以上だとバチ抜けパターンが成立しやすい印象です。

隣の川や上流、下流に移動するだけで水温が1〜2度違うこともあるため、水温を意識するだけでも状況判断の精度は上がります。

釣り場に着いたらまずは水面を確認して、シーバス特有のバチボイルを探します。

ボイルの見分け方ですが、秋には「ガバッ!」と水面を割るように捕食しているシーバスも、バチ抜けシーズンはまるで水面にキスをするかのように優しいバイトをしています。

ちなみに「チュポッ!」と少し派手な音がした場合、シーバスではなくチヌである場合があります(笑)


バチが抜けすぎている

バチが大量に抜けているときも、実は難しい状況です。

バチが抜けると釣り人は喜びますが、バチが多いエリアでは実は目に見えて湧いてくる頃には時合終了が近いサイン

目に見えて大量発生している頃には、時合が終盤に差し掛かっていることも多く、本物が多すぎてルアーには見向きもしなくなります。

むしろ良いのは、照らした範囲に1〜2匹見える程度

少ないエサをシーバスが競う状況の方が、ルアーに反応しやすくなります。


表層にいるのに食わない本当の理由は「微波動」にある

水面にボイルが出ている、確実にシーバスがいる。

それなのにルアーに反応しない。

このとき多くの人が考えるのは、

・カラーが違う
・サイズが合っていない

といったルアーセレクトの問題です。

ですが僕の経験では、

「ルアーの動かし方」>「サイズやカラー」

という印象があります。

ルアーを「動かさない」は“何もしない”ではない

バチ抜けでは一般的に「ルアーを動かし過ぎない」ようにと言われます。

ですがこの言葉こそがバチ抜けで隣の人が釣れているのにシーバス釣れない原因で、ルアーを動かさないようにとラインテンションを緩めすぎてしまうと、ルアーは水面で“完全停止”してしまいます。

かつての僕はまさにこれでした。

ネットの情報を信じてバチ抜けでは「ルアーが動かない方が釣れる」と思い込んでいたのですが、”動かさないこと”と”完全停止していること”は全くの別物だったのです。

本物のバチは“無”ではなく“微”

本物のバチをよく見ると、完全に静止しているわけではありません。

水面を流れに乗ってゆらゆらと漂いながら、ほんのわずかに波紋を出しています。

大きく動くわけでもなく、止まっているわけでもない。

この

「無」ではなく「微」

の状態を再現できるかどうかが大きな差になります。

つまり釣れない人は「ルアーが完全停止しているためシーバスにとっては生き物に見えていない」、釣れる人は「微波動が出るため生き物に見えている」ため、シーバスが釣れるという訳です。

微波動を出すために必要なのはラインテンション

微弱な波紋を出すために重要なのは、ごくわずかにラインを張ることです。

着水後に素早く糸ふけをとり、敢えて一度だけ引き波を立ててルアーの波紋を確認する。

そして

「波紋が出るか出ないかのギリギリ」をキープする

このことがわかるまではバチ抜けでは釣れはするもののたまたま釣れた感が強かったのですが、この“微妙な張り”を意図的に保てたとき、それまで食わせられなかったボイルで突如、バチ抜けで連発しました。

サイズは出なかったものの自分には大きな出来事で、あの10対0の夜の出来事や、隣の人は釣れているのに自分は全く釣れない時というのはルアーセレクトや巻きスピードばかり気にしていましたが、「ルアーから出る微波動を再現できていなかったからシーバスに見切られていたのだ」と納得しました。

僕も釣れない時はラインのテンションを張る意識が低く、テンションがかかり切る前に(自分では糸ふけをとったつもり)ハンドルを巻き始めていましたが、ルアーが全く動かずシーバスには生き物に見えていなかったのかもしれません。

タックルバランスが重要な理由

この微妙なテンションは、タックルバランスが合っていないと感じ取れません。

・ロッド、リールが強すぎる
・ラインが太い
・リールの巻き心地が重い

これらの要因があると、ルアーに微妙なテンションがかかった状態を感じられなくなってしまいます。

バチ抜けは簡単と言われますが、実際にはこうした繊細な感覚が釣果差によって現れるシビアな釣りです。(エリアトラウト、ワカサギ釣り、アジングなどにも通ずるものがあるかもしれません)

”微波動”を感じやすいセッティング

最後に微波動を感じやすいセッティングについて紹介します。

ロッド

ロッドについてはシーバスロッドの中ではやや柔らかめのL~MLクラスで十分です。

感度やショートバイト対策でライトゲーム用のロッドを使用するという話も聞いたことがありますが、個人的には飛距離が欲しいシチュエーションも多いため、15g前後のルアーがキャストできれば十分だと思います。

またバチ抜けシーズンはシーバスが産卵からの回復期にあたり大型でもL~MLクラスでキャッチできることが多い他、硬いロッドはバチ抜け期のシーバスの弱々しい吸い込みを弾いてしまう場合も多く、敢えて硬いロッドを選ぶ意味はないかと思います。

リール

リールはできれば

  1. 番手は2000-3000番
  2. 自重が250g未満
  3. ミドルギア

の条件がそろっているとやりやすいです。

先日、訳あって4,000番台のハイギアリールでバチ抜けにトライしてみたのですが、自重が重くてラインテンションが感じ辛い上に、ハンドル1回転の巻取り量が100cm程度あると、流れに合わせたラインテンションのキープが難しく感じられました。

個人的なオススメはシマノの26ナスキーC3000

僕が使っていたのは前モデルの21ナスキーでしたが、性能面がパワーアップしている上に価格も10,000円程度と手ごろなのでオススメです。

ライン

ラインは強度と操作性のバランスを重視するなら0.8号で、感度重視なら0.6号

僕は普段0.8号を使っていますが、0.6号だと感度が高くよりテンションのキープがラクに感じられます。

逆に1.5号程度だと特に風が吹いた時には感度、風の受けやすさの面でもテンションのキープが難しいので、0.8号以下がオススメです。

ルアー

ルアーは微波動のコントロールでかなり重要で、慣れていない方はシンキングよりも

フローティングの方が微波動を出しやすい

です。

というのもフローティングもシンキングも波紋を出すという意味では同じなので、上手な方であればシンキングでも釣れる波動を出せるのですが、フローティングの場合はベタなぎ状態の場合、「微波動が出せているかどうか目視で確認できる」というメリットがあります。

僕が使って実績のあるフローティングルアーといえば、ダイワスライ95Fです。

僕のバチ抜けルアーのエース的存在で、微波動のイメージを定着させることができたのがこのルアーでした。

適度なラインテンションを保つとまさにバチのような弱々しい波動を出してくれ、フローティングなので狙ったコースに流せているのかもわかりやすいというメリットもあります。

カラーはバチパターンではフラッシング効果のあるクリアやリアル系よりも、反射のないマット系の方が良く釣れている気がします。


バチが抜けていない場合

バチ抜けシーズンに釣り場に立ったにも関わらず、現地に行くとバチが抜けていない場合は、バチ抜けの発生条件を間違えている可能性があります。

バチ抜けの発生条件や、バチ抜けが発生する日を予想したバチ抜けカレンダーは下の記事で紹介しています。


まとめ

バチ抜けなのに釣れない時、多くの場合は次のどれかが当てはまります。

  • バチにシーバスがついていない(群れが回ってこない)
    →水温チェック、場所移動
  • アクションやレンジが違う
    →糸ふけを出し過ぎず、微弱なアクションを心がける
  • バチが抜けすぎている
    →時合が終わっている可能性あり。もっと早い時間が勝負

世間では初心者でも釣れると言われるバチ抜けですが、実際は繊細で運要素も高く気難しい面もあります。

もしバチ抜けで釣れないと感じた時、参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
なるフィッシュ

SNS総フォロワー数4万人の釣り情報メディア「釣りの知恵袋」なるフィッシュの管理人で、Yahoo!ニュースエキスパートとしてYahoo!ニュース等で釣りに関する情報を発信するWEBライター。
2020年から釣りに関するアイテムや情報の情報を発信し、今までに得た釣りのノウハウや、1,000種類以上の釣具を試してきた経験から釣りに役立つ情報を皆様にお届けします。

なるフィッシュをフォローする
釣りの知識
スポンサーリンク
なるフィッシュをフォローする
なるフィッシュ
タイトルとURLをコピーしました