釣りにおいて
- アシストフックの補強
- ロッドが折れた時の応急処置
- 自作ルアー作成
- エギのカンナやシンカーの補強
- ノットの結び目の補強
- 割けたワームの接着
など、瞬間接着剤を使用するシーンは何かと多いもの。
もちろん短時間で何かをくっつけることができるので修理には便利なのですが、果たして瞬間接着剤はアシストフックの強度アップに繋がるのでしょうか?
そこで今回は、瞬間接着剤の有無でアシストフックの強度に差が出るのか、実際に引張試験機で測定してみました。
タイラバ用の自作アシストフックで強度を測定
今回はタイラバのアシストフックを自作してみました。
瞬間接着剤なし

組紐にフックを結んで

その後、ペンチでギュッと締めこんで完成です。
瞬間接着剤あり
続いて瞬間接着剤ありについて。
まずはすべり止めとして、結ぶ前にフックの根元に瞬間接着剤を塗って乾かします。

接着剤が乾いたら、あとは組紐でフックを結んでペンチで固定するところまでは同じで

最後に、結び目に瞬間接着剤をしみこませます。

しっかり乾かしたら完成です。
実験の前の注意点
続いて実験に際し、注意点や前提について補足します。
瞬間接着剤で補強して強度を測定する際に
- 水で強度が低下しないか
- 接着剤のせいでラインが傷まないか
といった、瞬間接着剤を使用したことによるマイナスの影響を考慮する必要があります。
そこで今回は、強度の測定の3時間前から水に濡らして強度を測定してみました。

また瞬間接着剤によるライン強度の低下を確認するためにも、瞬間接着剤を塗っていない方も同様に3時間、水に濡らして測定しています。
実際に強度を測定!
それではタイラバ用のアシストフックで、瞬間接着剤ありのものと、なしのもので強度を引っ張り試験機で測定していきます。

瞬間接着剤なし
まずは基準となる瞬間接着剤なしの強度です。
試験機のハンドルを回して力を加えていきます。

どんどん負荷をかけていくと

10.28kgのところで破断しました。
破断箇所を見てみると、フックの結び目の部分からラインが切れていました。
2回目の結果が9.42kg

1回目、2回目ともにすっぽ抜けではないものの、結び目のところから切れていました。
合計3回測定して、その結果を表にまとめたものがこちら。
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均値 |
| 10.28kg | 9.42kg | 7.97g | 9.22kg |
平均強度は9.22kgでした。
1回目2回目はラインブレイクだったのですが、3回目はラインがすっぽ抜けてしまい7.9kgという結果に。
恐らくこちらのラインは「上手く結べれば9~10kgの強度、すっぽ抜けるとそれ以下の強度で抜けてしまう」と考えられます。
瞬間接着剤ありの強度は?
続いて本題の、瞬間接着剤ありの強度測定です。
同様に試験機にセットして、力を加えてみると

限界を迎え、ラインブレイクしました。

結果は9.8kgと瞬間接着剤なしと同程度の強度
2回目は9.1kg。
破断箇所はどちらもフックの結び目と全く関係がない接着剤を塗っていないところ。

3回測定した結果を下の表にまとめてみました。
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均値 |
| 9.80kg | 9.10kg | 9.07g | 9.32kg |
こちらの検証結果をまとめると、「強度はどれもほぼ同じで再現性のある強度」であると言えます。
瞬間接着剤でアシストフックの強度はアップする?しない?結論は…
実験を終え、瞬間接着剤ありの場合となしの場合を同じでまとめてみました。
| 有無 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均値 |
| 接着剤あり | 10.28kg | 9.42kg | 7.97g | 9.22kg |
| 接着剤なし | 9.80kg | 9.10kg | 9.07g | 9.32kg |
この表の結果だけを見ると
- このフックと組紐の組み合わせだと、うまく結べた時の強度は9-10kg程度
- 瞬間接着剤ありとなしの平均値の差は0.1kgでほぼ差がない
ということが読み取れます。
なので結論としては瞬間接着剤なしでもうまく結べれば十分な強度を出すことができ、「瞬間接着剤の塗布でアシストフックの最大強度は上がらない」ということです。
では瞬間接着剤に意味はなかったのかというと、そう考えるのは早計です。
今回の実験の結果で注目してほしいところがあります。
それは「瞬間接着剤なしの方では1度すっぽ抜けが起こっている」ところ。
ノットの強度は一般的に「これでブリが10kgのキャッチできた」など、最大強度で語られがちですが、トラブルが起こるのは大抵がトラブルが起こった時で、むしろ見るべきところは「最低強度」なのです。
確かに瞬間接着剤は組紐そのものの強度を上げることはできませんが、ノットのミスをカバーして強度の底上げをしてくれている可能性があります。
また瞬間接着剤を3時間ほど水に浸けてみても、接着剤が水で溶けることはありませんでしたし、瞬間接着剤がラインを傷めて強度を下げているといったこともなかったので、お守り代わりに瞬間接着剤を使用するというのも良いかもしれませんね。
アシストフックに使う瞬間接着剤の選び方
瞬間接着剤は今や100均でも手に入る時代ですが、何でもいいのかというと僕の考えでは「NO」で、釣りに向いた瞬間接着剤はあると思っています。
それは「下の3つの条件」を満たした瞬間接着剤です。
- 耐水性がある
- 耐衝撃性がある
- 金属、プラスチックに使える
接着剤といっても細かく用途が決められていて、特に釣りでは「水の中でも使えて、衝撃に耐える」ことが求められます。
数ある瞬間接着剤の中で、この条件に当てはまるのがニッペの瞬間接着剤。

金属、プラスチックに使えるのはもちろんのこと、パッケージの裏面を見てみると

耐衝撃性、耐水性があるとの記載があります。
今回の実験で使用したのはもちろんニッペの瞬間接着剤ですし、実際にタコ釣りでエギの補強に使ってみたのですが、タコを釣り上げられて問題なく使えていました。

エギの補強の方法については下の記事で紹介しています。
ダイソー タコエギ レビュー|実際に釣れる?強度やメーカー品との違いを検証
アシストフックに瞬間接着剤は必要?【結論】

自作アシストフックに瞬間接着剤を塗って強度をアップさせることができるのかについて紹介しましたが、結論としては最大強度のアップにはつながらないものの「最低強度を引き上げるお守りとして使える」という結論となりました。
釣りではミスなく安定した強度が出せるのはとても大事なことで、これはFGノットの強度などと通じる部分はあると思います。
他にも瞬間接着剤があるとロッドやルアーなどの急な釣具の故障にも対応できることがあるので、ぜひお守り代わりに瞬間接着剤を持ち歩いてみてはいかがでしょうか?
他にもノットの強度などの検証コンテンツも作成しているので、気になる方はこちらも併せてご覧ください!


