テンヤやタイラバ、鯛サビキなど様々な釣り方で釣り人を魅了するマダイ。

釣った後も持ち帰って美味しく食べられるのがマダイの嬉しいところですが、せっかく自分で釣ったマダイだからこそどうやって食べようか迷っている人も多いのではないでしょうか?
定番どころで言えば、鯛飯、刺身、塩焼き、煮付けですが、実は他にも
- 白子
- 卵
- 肝
- コリコリの胃袋
- 旨味たっぷりの皮
- ヒレ酒
なども楽しむことができ、しかもどの部位もちゃんと美味しいのです!
今回は実際に釣ったマダイを使って、
- 刺身
- 昆布締め
- 煮付け
- 白子
- 卵(真子)
- 胃袋
- 肝
- 皮ポン酢
- 鯛めし
- 開き
など、食べられる部位を片っ端から調理してみました。
「釣ったマダイ、どう食べるのが正解?」と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
マダイは“捨てる場所が少ない魚”
マダイの魅力は、なんといっても可食部の多さ。
刺身だけで終わらせるのは正直かなりもったいない魚です。
特に春の乗っ込みシーズンは、脂がたっぷり乗った身だけでなく
- 白子
- 卵
も非常に美味しく、まさに“食べて楽しい魚”になります。
また適切な処理をして持ち帰った魚であれば肝や胃袋といった内臓も美味しく食べられますし、刺身で引いた皮でさえも美味しく食べられます。
大型個体になるほど可食部も増えるため、50cmを超える個体ならかなり満足度が高いはずです。
マダイを美味しく食べるための下処理
釣ったマダイを美味しく食べるためには適切な下処理が必須です!
あまり神経質になる必要はありませんが、最低限抑えて欲しいポイントをまとめました。
血抜き&締め
まず釣り上げた後のマダイですが、血抜きと締めを行います。

釣り上げたマダイは目と側線の付け根の間あたりを目掛けてナイフを突き立てて脳締めをします。

血は臭みの原因となるのですが、生きている間の方が抜きやすいので、エラにナイフを刺してバケツの中に入れておきましょう。
そして当たり前ですが、重要なのがしっかり冷やして持ち帰ること。

どれだけ血抜きをして締めたとしても、温度が高いとダメになってしまうので、せっかく釣ったマダイはたっぷりの氷に入れて持ち帰ることが大切です。
ぬめりは酢で落とせ
持ち帰ったマダイの下処理ですが、基本的には
鱗&ぬめり落とし
↓
内臓取り出し
↓
3枚卸ろし
の順で行います。

マダイの鱗はしっかりしているのですが、がまかつのうろこ取りだと飛び散らない上に、気持ちいいくらいに鱗が落とせるので便利です。
そしてぬめり落としですが、ここで必ず使って欲しいのが「酢」

マダイは皮が美味しい魚なのですが、ぬめりが残ると生臭さを感じてしまうので、体表にお酢をかけてしっかり落としましょう。
お酢をかけたあと、体表を軽く手で撫でてから水に流すと塩とは比べ物にならないくらいしっかりとぬめりを落とせます。
あとは肛門から包丁の刃を入れて

内臓を取り出します。
ここで4-5月頃に釣れる乗っ込みシーズンのマダイは卵や白子を持っているので、包丁の刃を深く入れると傷つけてしまう恐れがあるので要注意!

エラの付け根まで包丁の刃を入れたら、エラごと内臓を取り出します。
内臓を全て移すとグロテスクなので省きますが、取り出すべき内臓は3つ
①白子or卵
まずは白子or卵

1.5kgクラスからとれたたっぷりの白子…!
こちらはメスのマダイから採れた卵です。

取り出したら優しく水洗いして保管します。
②胃袋
続いて胃袋です。
エラのすぐ下に繋がっているので簡単に見つかります。

取り出したら中身をしっかり水洗いしてこちらも保管します。
胃は丈夫なのでしっかり水洗いしましょう。
③肝
3つ目は肝です。
これは見た目が明らかにレバーなのですぐに見つかると思います。

こちらも優しく取り出したら、水洗いをして保管しましょう。
ちなみに内臓を取り出すときに注意したいのが苦玉。

これは胆のうという臓器で、中には緑色の液体(胆汁)が入っているのですが、これがとんでもなく苦いのです。
誤って潰してしまうと身や内臓に苦味が染みついて大変なことになるので、潰さないように注意しましょう。
もし潰してしまっても、すぐに水でしっかり洗い流せば大丈夫です。
まずは王道!マダイの刺身

やはり最初に食べたいのは王道の刺身。
マダイは釣った直後よりも、少し寝かせた方が旨味が出やすい魚として知られています。
もちろん釣りたて特有のコリコリ感も魅力ですが、個人的には2-3日ほど寝かせた方が甘みが強く感じられました。

刺身を寝かせる方法については下の記事で詳しく紹介しています!
旨味が激増!釣った魚の熟成のやり方や、熟成に向いている魚を紹介
特に春の乗っ込み個体は脂が乗っていることも多く、腹側は脂がたっぷり乗っていて完全に別物です…!

皮目付近にも旨味が強いため、薄造りより少し厚めに切ると満足感があります。
ちなみに刺身を作る時、皮を引くと思いますが

この皮は後で美味しく食べるので必ず取っておいてください!
昆布締めは旨味が一段階上がる
刺身の美味しさ一段引き上げたい時におすすめなのが昆布締め。

マダイの身に昆布の旨味が移るだけでなく、軽く水分が抜けることで、マダイ特有の上品な旨味がグッと濃くなります。
特に真鯛は淡白な味わいの白身魚なので、昆布締めとの相性がかなり良い印象。

熟成によるねっとり感も増し、日本酒との相性も抜群です。
煮付けは頭周りが特に美味い
マダイは煮付けも定番。

特におすすめなのが頭やカマ周りです。
骨が多く食べにくそうに見えますが、その分旨味が強く、頬肉や目の周りにはゼラチン質もたっぷり。
大型個体ほど食べ応えがあります。
アラは捨てずに煮付けに回すだけで、一匹の満足度がかなり変わります。
また煮付けを食べた時に出た骨を別のお椀にとっておき

お湯を注ぐと骨湯の出来上がり。

煮付けの後の鯛の骨にはまだまだしっかりダシが残っていますし、煮付けの甘辛いタレの味が体に染みわたります。
2杯くらいは美味しく飲めるくらいダシが出るので、ぜひ試してみてください。
春のマダイ最大のご褒美、“白子”
春の乗っ込みシーズンに釣れたオスのマダイには、大きな白子が入っていることがあります。

これが本当に美味い。
難しそうに感じますが調理法は至ってシンプルで、沸騰したお湯に20秒ほど入れて取り出します。

軽く水洗いしたら包丁で食べやすいサイズに切り分け、ポン酢で敢えます。
お好みで刻みネギをかければマダイの白子のポン酢和えの完成です。

気になる味ですが、トロッとした食感と、まるでミルクのような濃厚でコクで贅沢そのもの。
そしてネギとポン酢のさっぱりとした味わいが本当に良く合います。
個人的には「魚の白子系」の中でもかなり上位クラス。
しかも、自分で釣った魚だからこそ鮮度の良い状態で食べられることもあり、臭みは全くありません。
状態の良い白子はスーパーではなかなか出会えない、まさに“釣り人の特権”と言える部位です。
卵(真子)は煮付けが最高
メスのマダイに入っている卵(真子)も絶品。

煮付けを作る時に一緒にいれて作ったのですが、甘辛いタレと卵のコクが合わさって白子とはまた違った味わい。
食感は魚卵らしい粒感がありますが、タラコ系とはまた違う“ホロホロ感”が特徴。
サイズが大きい個体ほど卵量も増えるため、春の大型マダイは期待してしまいますね。
白子派と真子派で分かれるのも納得ですが、個人的には白子派です(笑)
皮は湯引きで化ける
意外と見落とされがちなのが皮。

マダイの皮は旨味が非常に強く、湯引きにすると一気に化けます。

熱湯にサッと潜らせて冷水で締めると、ゼラチン質がコリコリとした歯ごたえのある食感に。

細切りにしてポン酢で和えるだけでも立派なおつまみになります。
今までこんなに美味しい部位を捨てていたのかと後悔するレベルです!
胃袋はコリコリ食感がクセになる
釣り人でもあまり食べない部位ですが、実はかなり美味しいのが胃袋。

沸騰したお湯で30秒ほど茹でると、独特のコリコリ食感になります。
茹でた後はしっかりと水で臭みやぬめりを洗い流し、細切りにします。
ポン酢でさっぱり食べると非常に美味しく、“珍味感”も強い部位。

なかなか噛み応えがあり、コリコリとした食感とコクのある味わいは特に酒好きにはかなり刺さると思います。
最初は少し抵抗があるかもしれませんが、一度食べるとハマる人も多いはずです。
肝は鮮度が命
マダイの肝も食べられます。

カワハギのような超濃厚系ではありませんが、鮮度が良ければしっかり美味しい部位。
軽く湯通ししてポン酢で食べると、上品な旨味があります。

また煮付けと一緒に似て、甘辛いタレで食べるのも絶品です。
ただし内臓系は鮮度が落ちやすいため、食べる場合は自己責任で、できれば釣ったその日に食べましょう。
鯛めしはアラまで美味しく食べられる
刺身で余った身やアラ、小型の鯛は鯛めしにするのもおすすめ。

骨周りから非常に強い出汁が出るため、シンプルな味付けでもかなり美味しく仕上がります。

特に天然マダイは香りが強く、炊き込みにすると存在感がかなり出ます。
「最後まで無駄なく食べ切った感」があるのも良いところ。
開きにすると旨味が凝縮される
もし数が釣れたなら、開きもかなりおすすめ。

干すことで水分が抜け、旨味が凝縮されます。

焼くだけで完成するため保存性も高く、“あと一品”にも便利。
特に小〜中型サイズは開き向きです。
贅沢の極み、鯛茶漬け!
マダイ料理の中でも特に贅沢だと思うのがマダイの茶漬け。
ただご飯の上に刺身を乗せるだけの料理だと思うことなかれ。
まずは昆布締めにした昆布を水に浸けてダシをとります。

これだけでも良いのですが、捌いた時に出たヒレをとっておいて天日干しにして、これをコンロで炙る

このヒレを先ほどの昆布汁にいれて、鍋で加熱すると

ヒレの旨味、昆布の旨味が染み出た贅沢なだし汁が出来上がります。
これに薄口しょうゆとみりんで好みの味に整えましょう。
次にご飯の上に熟成した刺身を乗せて

熱々のダシをかけます。
刺身を作る時に出た皮を、ご飯の上に乗せると尚よし
そして刻み葱、刻みのりをかければ

贅沢鯛めしの完成です!
ただの鯛めしでも十分豪華ですが、これだけ手間をかけて作った鯛茶漬けが美味しくないわけがない。
刺身だけでなく、出汁にも鯛の旨味が染み出た贅沢な一品です。
マダイは“釣ってからが本番”の魚だった
実際にいろいろ調理してみて感じたのは、マダイは本当に“捨てる場所が少ない魚”だということ。
刺身だけでも十分美味しい魚ですが、
- 白子
- 卵
- 胃袋
- 肝
- 皮
- アラ
などまで食べ始めると、満足度は一気に上がります。
しかも、こうした部位は鮮度が良い“釣った魚”だからこそ楽しめるもの。
もし良型のマダイが釣れたら、ぜひ刺身だけで終わらせず、いろいろな部位を試してみてください。
タコベイトを使ったのっこみマダイの釣り方については下の記事で紹介しているので、こちらも併せてごらんください!


